自民党の岸田文雄前首相が在任時の2022年に首相公邸で開いた政務官との会食に合わせ、岸田氏の事務所が10万円分の商品券を配ったことが分かった。関係者が19日明らかにした。石破茂首相も今月の自民1期生との会食前、10万円の商品券を配布したと認めており、歴代政権で慣習化していた疑いがある。石破首相と岸田氏事務所は違法性を否定するが、国民の金銭感覚とのずれが指摘され、野党は「自民の体質」と追及を強める。
岸田氏は21年10月から24年10月まで首相を務めた。関係者によると、22年12月20日の政務官との会食に先立ち、岸田氏事務所の秘書が、政務官の事務所に10万円分の商品券を届けた。岸田氏の事務所は取材に「常に法令に従って適正に対応している」と答えた。
複数の自民議員や関係者は、安倍晋三元首相が在任中に開いた会食に際し、5万円分や10万円分の金券を受け取ったことがあると証言した。
石破首相は19日の参院予算委員会で、歴代首相の商品券配布を問われ「全く把握していない。答える立場にもない」と述べた。