金の密輸入、前年から倍増 手口巧妙化、粉末状に加工も 成田空港

東京税関成田税関支署は成田空港で2024年に金の密輸入を215件摘発し、305キロを押収したと発表した。件数、押収量ともに前年から倍増し、過去5年で最多だった。金価格の上昇を受け、手口も巧妙化しているとして警戒を強めている。
同支署のまとめでは、旅客による持ち込みが211件、貨物便を悪用したものが4件だった。密輸元は多い順に香港152件(押収量212キロ)▽中国25件(同37キロ)▽台湾15件(同7キロ)▽韓国8件(同9キロ)▽シンガポール7件(同23キロ)--と続いた。容疑者の国籍は中国が8割以上を占めた。
24年は、金を粉末状に加工して旅客が持ち込む手口が急増。前年までは見られなかったが、3月以降に49件相次ぎ、押収量は約89キロに上った。12月には、粉状にしたものを小袋に詰め、体内に隠していたケースも摘発されており、今年に入っても続いているという。
金を国内に持ち込む際には税関に申告し、購入額に基づいて消費税を納めなければならないが、密輸すれば、購入額と同額で売っても消費税分がもうけになる。そのため同支署は、金価格が上昇する中、密輸がますます増えるとみて取り締まりを強化している。
同支署などによると、旅客による金密輸の摘発件数は23年103件(押収量76キロ)▽24年211件(257キロ)。一方、羽田空港は23年12件(同18キロ)▽24年78件(同108キロ)。成田が多いのは中国からの便が多く飛んでいるためと見られている。【合田月美】

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