「現金の落とし物」1億303万円、約7割は落とし主の手元に…山梨県警

昨年1年間に山梨県警が受理した拾得物の届け出は前年より8・3%多い6万532件で、改正遺失物法施行後の2008年以降で最も多くなった。カード類などが多く届けられたほか、現金の総額は1億円を超えた。大型のカメなど変わった落とし物もあったといい、県警は「落としたら早めに届け出を」と呼びかけている。(木村誠)
県警会計課によると、拾得物の件数はコロナ禍の20年に3万8088件まで減少。その後、行動制限の緩和などで4年連続で増え続け、昨年はコロナ禍前の19年と比べても1万件近く増加した。
内訳は「物品」が前年から5745点増の9万5848点。「現金」は約526万円増の約1億303万円に上った。物品では最も多かったのが運転免許証やクレジットカードなどの「証明書類・カード類」の2万7796点(29・0%)。次いで、定期券などの「有価証券類」が1万67点(10・5%)、ハンカチなど「生活用品類」が8556点(8・9%)と続いた。
珍しいものでは昨年7月、富士山麓の青木ヶ原樹海で、体長40センチのリクガメが拾われた。落とし主が現れず、ペットショップに引き渡されたという。
一方、拾得物が落とし主の手元に戻った返還率は、現金が66・3%(約7437万円)、物品は50・0%(4万7243点)だった。駅構内のトイレで現金200万円が入った手提げカバンが見つかり、持ち主に返されたこともあったという。
落とし主が届け出る遺失届の受理件数は横ばいが続いており、昨年は前年より2・6%少ない1万5162件だった。
県警では、ウェブサイト上で落とし物を検索できるシステムを導入しており、落とした日や場所、落とし物の種類などから詳しく調べることができる。遺失届もオンラインで提出可能だ。
同課の担当者は「拾得物が持ち主に返還される割合は半数以上。落とし物をしてもあきらめず、警察に届け出てほしい」としている。

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