「本来であれば、挑戦する若者らを激励する場。そんな表敬訪問で突然、知事の説教が始まり、現場は騒然となったんです」(県関係者)
パワハラ疑惑が燻り続ける大井川和彦茨城県知事(60)。小誌の取材で新たに判明したのは、所構わず癇癪を起こす、知事の「暴走」そのものだった――。
「 週刊文春 」ではこれまで大井川県政下の7年半で県庁職員の自殺者が13人、休職者が100人超となり、その背景に知事や飯塚博之副知事(62)のパワハラ疑惑があることを詳報。3月18日配信の「 週刊文春 電子版 」では知事の掲げる「教育改革」による現場の疲弊や相次ぐ関係者の不祥事について報じた。
長時間労働やパワハラが次々発生
「大井川県政下では、改革の名の下で現場に過剰なノルマが課されてきた。結果、成果を追い求めるあまり長時間労働やパワハラが次々に発生。さらに、知事自身が、自分の意見に反論する職員に対して『バカ』『死ね』『出ていけ』『(女性部長に対して)このアマが』などと暴言を吐いたり、タブレットを投げつけたりすることもあった。茨城県職員のストレスは凄まじいものがあります」(茨城県議)
3月12日、初報が「 週刊文春 電子版 」にアップされた直後に大井川知事は報道陣の取材に応じ、「厳しく叱責することはあった。そのなかで『バカ』というふうな言葉を使ったことはあったと思う」と一部認めたが、「『死ね』だとか、パソコンを投げ捨てるといった行為は記憶にない」とし、疑惑は「事実無根」と否定した。
自虐ネタで挨拶「反省している様子はゼロ」
その後、3月中旬に開かれた後援会の会合では、
「皆さまどうも、文春砲を喰らった大井川です」
と自虐ネタで挨拶し、支援者の笑いを誘うなど「反省している様子はゼロ」(前出・茨城県議)。県内各地で後援会組織の整備も進め、秋に行われる知事選に向け、着々と準備を進めているという。
パワハラ疑惑がくすぶる中、足固めを急ぐ大井川氏に対し、県内の有力政治家は何を思うのか。小誌は22日、昨年まで自民党茨城県連会長を務め、大井川知事を支援してきた梶山弘志・元経産相に電話直撃した。
――大井川氏のパワハラ疑惑について。
「別にコメントないね。もう2期目ですからね。自分の責任においてやっていると思いますから。もし(パワハラが)事実であれば、それなりの責任は当然あるだろうし」
――大井川県政についての評価は。
「いい面、悪い面、いろいろあるだろうけれども。全てが順調にいってると誰もが思わないと思うよ。そんな人はいないから、世の中に。ただ企業を呼んできたりね、いろんなことで成果を出しているのも一方では事実だから」
――3期目に向けて出馬をすれば、(梶山氏は)応援に回る?
「それはわからない。県連の判断。俺は政党の中の組織人だから、そこを超えてまでやることはないと思うよ」
選挙への支援については言明を控えつつも、県政への評価を口にするのだった。
知事の「大暴走」が明らかに
だが――。
今回「 週刊文春 」の取材で明らかになったのは、首長としての資質を疑わざるを得ないような、知事の「大暴走」の数々だった。
3月26日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」並びに27日(木)発売の「週刊文春」では大井川和彦茨城県知事の新たな「疑惑」を報じる。2022年7月、コロナが明けて3年ぶりに行われた知事への表敬訪問で繰り広げられた「大暴走」。そして、新たなパワハラ被害証言についても詳報している。
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(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年4月3日号)