沖縄県の玉城デニー知事は28日、県の米ワシントン事務所を閉鎖する方針を固めた。与党県議に伝えた。4月以降、閉鎖に必要な手続きに入る。同事務所は政府の進める米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対を掲げて当選した翁長雄志前知事が2015年4月に設立。沖縄の声を米国に発信するとともに、米側の情報を収集する役割を担ってきた。翁長氏の遺志を継いで当選した玉城知事も事務所の重要性を認めていた。10年で閉鎖に追い込まれることになった。
県は米ワシントン事務所を株式会社として事業者登録したことで、その手続きやその後の対応に県議会野党などから違法性が指摘されていた。
県が設置した弁護士などでつくる調査検証委員会は28日、「違法性の可能性がある」との報告書を玉城知事に提出した。
また、野党・中立が過半数を占める県議会は28日、ワシントン事務所の運営費を全額予備費へ移し替える野党の修正案を可決。玉城知事は審議のやり直しを求める「再議」に付さない方針を固めた。関係者が明らかにした。これにより、ワシントン事務所を閉鎖することが決まった。 一方、同日可決された58億円分の債券を発行して財政調整基金に充当する修正案について、玉城知事は再議に付す方針。