福岡県警は、来年度から新たに社会人経験者の採用枠を設けます。体力検査の基準を緩和するなど試験のハードルも下げています。背景には、深刻な人材不足がありました。
■福岡県警 警務課・平田恵三 統括管理官
「社会人経験者採用試験の新設。」
今回、新たに設けられたのは、社会人経験者の採用枠です。
福岡県警の採用試験ではこれまで、社会人経験者も新卒者と同様の試験を受けていました。年齢制限は30歳でしたが、今回新たに設けられた社会人経験者の枠では35歳に引き上げられました。
また、体力検査の握力の基準は、すべての採用枠で引き下げられました。男性は45キロだったのが35キロ以上、女性は25キロだったのが20キロ以上に変わりました。
背景にあるのは警察官の「なり手不足」です。少子化などの影響を受けて、去年の受験者数は10年前の3分の1以下に減少しています。
このため、転職を考えている人が受験しやすいよう、社会人枠では専門的な教養試験の代わりに、多くの民間企業が実施しているSPI、基礎能力試験を導入します。
では、新たな体力検査のハードルがどのくらいなのか、受験資格ぎりぎりの34歳、運動不足気味の奥村記者も挑戦してみました。
まず、基準が緩和された握力は。
■警察官
「右38.6、左38.3。クリアです。」
新基準の「左右平均35キロ」をなんとかクリアできました。
ただ、体力検査はこの他にもシャトルランや反復横跳びなどがあり、すべての項目で合格というわけにはいきませんでした。
■奥村誠悟記者
「足が後半全然動かなくて、日頃の運動不足を感じました。」
福岡県警は、社会人経験者枠の新設が人材の多様化につながることにも期待を寄せています。
■平田 統括管理官
「サイバー空間や先端技術の拡大によって、犯罪情勢も複雑化・多様化している。これらに的確に対応していくためには、幅広い人材の採用が必要。」
福岡県警は、社会人としての豊富な経験や実績を生かし、即戦力として活躍してほしいとしています。
※FBS福岡放送めんたいワイド2025年3月27日午後5時すぎ放送