18日夜に長野県北部、長野県中部で震度5弱を観測した地震で、同県北部・大町市の覚音寺(かくおんじ)にある「持国天立像」が倒れ、後頭部が破損する被害があった。持国天立像は国の重要文化財に指定されている。住職の與儀龍祥さん(65)は「しっかりと修復できるように、市教育委員会や県教育委員会などと相談したい」と話している。
大町市はこの地震で震度5弱を観測した。與儀さんによると、持国天立像は、同じく重要文化財である「千手観音立像」「多聞天立像」とともに境内の堂におさめられていたが、與儀さんが地震発生直後に堂を見回ったところ、持国天立像が堂内の須弥壇の後方の柵を越えて、床にうつぶせの状態で倒れており、後頭部が外れていた。他の2像は転倒を免れたという。
持国天立像は鎌倉時代初頭の建久5(1194)年の造立。高さ162センチで、ヒノキ材による寄木造。
取材に対し、與儀さんは「このようなことは初めてで、非常に残念。きちんとした手続きを取った上で、しっかりと修復ができればありがたい」と語った。