4月に入り、北海道内でヒグマの目撃件数が急増している。道警によると、1日から16日までに94件の通報が寄せられ、前年同期の約1・4倍に上る。冬眠を終えたクマの行動は今後さらに活発になることが予想され、道警が警戒を強めている。
道警のまとめでは、今年のクマの出没に関する通報は16日時点で171件。特に4月に入ってからの伸びが際立っており、1~16日の件数は前年同期の64件から30件も増えていた。
美唄市では3日午後、シカを撃つために一人で山に入っていた地元猟友会の男性(76)がクマに襲われて重傷を負った。
札幌市南区真駒内では9日午後、認定こども園「ときわみなみのこどもえん」の裏山に体長1~2メートルのクマが出没。園への侵入を防ぐため、市が周辺に電気柵を設置するなどの対応に追われた。小畑圭子園長(62)は「30年ほど働いているが、クマがこんなに近づいてきたのは初めて」と語る。
クマによる人身被害を防ぐため、道警は▽日頃から出没情報を確認しておく▽山林ではクマよけの鈴や撃退スプレーを持ち歩く▽フンや足跡を見つけた時はすぐに引き返す▽住宅街で目撃した際は110番する――などの対策を呼びかけている。