米軍司令官、沖縄県庁を訪れての謝罪を拒む 米海兵隊員の性的暴行

沖縄本島中部の米軍基地内で米海兵隊員の男性(27)が基地従業員の女性に性的暴行をしたとして、不同意性交等などの罪で起訴された事件で、沖縄県の池田竹州(たけくに)副知事は2日、米軍キャンプ瑞慶覧(ずけらん)(北中城村など)で米海兵隊太平洋基地司令官のブライアン・ウォルフォード少将らと面会し、抗議した。県側は少将らを県庁に呼んで抗議しようとしたが、米軍側に拒まれた。
キャンプ瑞慶覧での面会は報道陣に非公開で、終了後、取材に応じた池田副知事によると、ウォルフォード少将は「県民に不安を与えた」として謝罪した。事件の有罪判決が出るか、判決が確定すれば、県庁を訪れて知事と面会する意向を示したという。池田副知事は「基地従業員の不安を取り除くために一日も早く責任者に抗議する必要があった。本来であれば県庁に来ていただきたいのが正直なところだ」と語った。
沖縄県内で米軍による重大な事件や事故が起きた場合はこれまで、米軍の司令官が判決を待たず県庁を訪れ、副知事に謝罪や説明をするケースが多かった。
2016年にうるま市で女性が米軍属の男性に殺害された事件では、在沖縄米軍トップの沖縄地域調整官が起訴前の段階で県庁を訪れ、謝罪した。米空軍兵が少女に性的暴行をしたとして起訴されたことが報道で明らかになった24年6月には、所属先の米軍嘉手納基地の司令官が県庁を訪れ、抗議を受けた。【比嘉洋】

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