石破首相、トランプ米政権との関税交渉は「ゆっくり急ぐ」…本人は「名言」と自賛も、永田町では「迷言」との声

石破茂首相は2日、トランプ米政権との関税交渉を巡り「ゆっくり急ぐ」と説明した。新型コロナウイルス対策と経済活動との両立に苦闘した当時の菅義偉首相(衆院神奈川2区)が「アクセルとブレーキを同時に踏んでいる」と評した言葉に重なるが、石破首相は「これは『名言』だ」と自賛。永田町では「むしろ『迷言』じゃないのか?」(自民幹部)との皮肉な見方が広がっている。
「ゆっくり急ぐ」発言が飛び出したのは同日午前。2度目の訪米で閣僚級再協議に臨んだ赤沢亮正経済再生相の報告内容を官邸で記者団から問われた場だ。「赤沢担当相が6月中の合意に言及したが」との質問に、首相は「これは『名言』と言えば『名言』なのだが、『ゆっくり急ぐ』ということなのであって早ければ良いというものではない」などとかわした。
この発言が波紋を広げるのは政府として「6月合意にはこだわらない」との事実上の宣言となるから。7月には参院選があり、交渉や合意が月をまたぐことになれば、その同時進行内容が“政治の信”を問う重要な材料となるためだ。

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