陽光が差すのどかな昼下がり、山あいの池に突如ごう音が響き渡った。愛知県犬山市で航空自衛隊の練習機が墜落した事故。「『ドーン』という衝撃音がした」「水しぶきが上がった」。池には燃料とみられる油や機体の一部のような破片が浮かび、住民は搭乗員の捜索活動を不安げに見守っていた。
池は対岸まで最長1キロ以上に及ぶ広さで、事故が起きた14日はボートでブラックバス釣りを楽しむ人たちがいた。「水しぶきが上がるのを見た」。入鹿池の貸しボート店の女性は、釣りから戻ってきた客がこう話すのを耳にした。自身も「爆音を聞いた」と振り返った。
取材に応じた別の男性釣り客は「『ドカーン』という音が2回聞こえた」と証言。「飛行機が落ちた」と知り現場にボートで向かうと、ぎとぎとに濁った油が100mほどの範囲に広がり、異臭が漂っていたという。
池のそばにあり、放課後に地元小学生が通う児童クラブの女性職員は事故時、児童2人と施設にいた。「『バーン』という雷が落ちるような音がして、子どもたちは怖がっていた」と慌てた様子だった。