兵庫県の斎藤元彦知事らの疑惑を巡り、文書で告発した元県西播磨県民局長(故人)の私的情報などが外部に流出した問題で、斎藤氏は14日午後、「県職員が漏えいした可能性が高いとされており、大変残念で重く受け止める。県民に心配をかけ、改めて申し訳ないと思っている」と述べた。
問題の経緯を調べた県の第三者委員会が13日、調査報告書を明らかにしたことを受け、報道各社の取材に応じた。
報告書によると、私的情報は政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首らがインターネット上で発信。「週刊文春電子版」は県の内部情報を明らかにした。これらの情報について第三者委は、県職員が漏えいした可能性を指摘。県は容疑者を特定せずに地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで県警に告発状を提出した。
斎藤氏はこの日、告発について「調査に限界があるとのことで了承した」と明らかにした。報道機関となる文春側への情報提供も調査・告発の対象とした点は「守秘義務という観点からの調査は必要だった。報道の自由を侵害する意図はない」と述べた。
一方、ネット上で公開された私的情報の削除要請については「法的な観点からハードルが高い。どういった対応ができるか引き続き検討する」と述べるにとどまった。【稲生陽】