在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の影響が指摘される全国の朝鮮学校に対しては、今も道府県や市区町から多額の補助金が支給されている。ただ、各地の朝鮮学校では統廃合が進み、児童や生徒数は年々減少している。在籍生徒数に準じた補助金も減額の一途をたどっている。
朝鮮学校は学校教育法で「学校」と認定されず、都道府県が認可する「各種学校」と位置付けられている。政府は北による拉致問題や総連との関係を問題視し、平成25年に無償化の対象外としたが、一部の自治体は補助金を支出。文部科学省によると、令和4年度は計93自治体(道府県・市区町)で計2億3064万円に上っている。
東京都の朝鮮学校への補助金は平成22年に当時の石原慎太郎都知事が「反日教育を行い、かつては拉致事件で朝鮮総連が動いた状況証拠もある」などとして支出を凍結した。
朝鮮学校に対する補助金が都道府県で最大規模という兵庫県では昭和57年度に支給を始めた。近年の支出額も4千万円を超える。斎藤元彦知事はこれまでのインタビューで「子供の教育は分けて考えるべきだ」などと、支援の正当性を主張。
京都市では初級学校(小学校に相当)2校と中高級学校(中学・高校に相当)1校に対し、令和7年度に支給する補助金は予算ベースで406万円。10年前の平成27年度(945万円)に比べ、6割近く減少している。
一方、大阪府は昭和49年度から支給し、平成21年度には全国最多の2億円に達した。だが当時の橋下徹知事が22年、「不法国家の北朝鮮と結びつく朝鮮総連と関係があるなら、税金は投入できない」と言及。府は運営法人「大阪朝鮮学園」に「朝鮮総連と一線を画す」ことなどを求めたが回答を得られず、22年度の補助金8700万円を最後に不支給に転じた。
府の担当者は「明確な説明がない以上、交付の再開もないだろう」としている。