「水俣病は遺伝する」家庭教師のトライ教材の誤情報、2015年から公開…動画は7万回超再生

「家庭教師のトライ」の運営会社(東京)が、会員向けオンライン教材で「水俣病は遺伝する」と誤った情報を配信していた問題で、浅尾環境相は30日の閣議後記者会見で、教材が2015年から公開されていたことを明らかにした。政府は今後、学習塾業界向けに注意喚起を行う。
環境省によると、同社は15年頃、中学生向け教科書を参照して授業用のスライドを作成。スライドに「遺伝する」との表記はなかったが、講義を動画撮影した際、講師が誤って「遺伝する」と説明した。
動画は同社の無料登録アプリで同年11月~21年3月に配信された。同社のユーチューブチャンネルでも16年1月から配信され、同省の指摘を受けて今月22日に非公開とするまで7万373回再生された。浅尾氏は、同社に再発防止策の報告を求めたとした上で、「事態が起きたことは非常に残念だが、再発防止の経過についてしっかりと注視したい」と述べた。教材の正確性に留意するよう業界団体を通じて学習塾に伝える方針も示した。
水俣病は、チッソ水俣工場の廃水に含まれたメチル水銀が原因で起きる中毒性の脳神経疾患。妊婦の胎盤を通じて水銀を取り込んだ胎児性患者はいるが、遺伝する病気ではない。

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