ネトフリではない!大阪の〝リアル地面師〟を逮捕 14億円超をだまし取った手口

昨年、ネットフリックスのドラマ「地面師たち」が大ヒットした。セリフ「もうええでしょう」が「新語・流行語大賞」のトップ10に選ばれるなど、社会現象にまで発展。これは架空の話ではなく、被害額約55億円に上る「積水ハウス地面師詐欺事件」をモデルとした、新庄耕氏の小説を原作としたものだった。今度は現実の〝地面師〟が大阪に現れた。
大阪府警は4日、大阪市内の土地と建物の所有者に成り済まし、不動産会社2社から計約14億5000万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で東大阪市の会社役員の福田裕容疑者(52)を逮捕した。地面師とみられる。
逮捕容疑は共謀の上、 昨年2~3月、大阪市中央区の土地を所有する会社の社長に成り済まして、不動産会社2社と売買契約を結び、現金計約14億5000万円をだまし取った疑いが持たれている。
70代女性が社長の会社が所有していた不動産だったが、福田容疑者は偽造した女性の印鑑登録申請書や運転免許証などを使って、法務局に虚偽申請し、法人登記を書き換え、社長が交代したと装ったとして、粂陵平容疑者(24)、60代の女らと電磁的公正証書原本不実記録・同供用などの疑いでも逮捕されている。
売買契約は、被害に遭った不動産会社の応接室で結ばれた。福田容疑者も参加。契約後、鍵の引き渡しが行われなかったことで、犯行が発覚した。
ドラマで話題になった地面師だが、どんな犯行なのか。元警察関係者は「地面師は、長年放置されていた他人の土地や、所有者が遠方に住んでいる土地などの登記を無断で書き換え、自分の不動産のふりをして第三者に売却したりする詐欺師です。1回の成功で数億円を荒稼ぎします。あぶく銭だし、常習犯で今日明日にでも刑務所に行くことになるので、遊び方も豪快です。とはいえ、詐欺罪は、最長10年以下の懲役で、2億円の詐欺でも懲役6年とかです。捕まるまでが計画で、豪快に使い切ったふりをして、お金を逃がしておくのも手といいます。捕まったメンバーがシャバにそろったら、またその資金を元手に詐欺をやるんです」と指摘する。
また、豪快に遊ぶのは、戦略でもあるという。
「今回の事件ではないですが、別の地面師は、大手商社の子会社の役員を詐称し、六本木や銀座の高級クラブで豪快に遊んでは、捜査関係者を接待して捜査情報を得たり、記者を接待してマスコミの動きをマークしたりしていました。それで捜査の手が伸びてくるタイミングをつかんでいたんです」(同)
東京都内のある駐車場でも「この土地は売り物ではございません。地面師にご注意下さい」などと看板が掲示されていた。地面師はあちこちにいるようだ。

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