脚本家、作家、演出家としてNHK大河ドラマ「独眼竜政宗」やNHK連続テレビ小説「澪(みお)つくし」などを手がけたジェームス三木(ジェームス・みき、本名・山下清泉=やました・きよもと)さんが14日、肺炎のため死去した。91歳。
旧満州(現中国東北部)出身で、小学生の時に大阪府に引き揚げた。大阪府高校演劇コンクールで1位になったのをきっかけに高校を中退し、上京して俳優を目指したが挫折。その後、テイチクレコードの新人歌手コンクールに合格し、歌手になったが芽が出なかった。
30歳を超えて書いたシナリオが映画監督の野村芳太郎の目にとまり、1969年、映画「夕月」で脚本家デビュー。85年放送の「澪つくし」は沢口靖子さんがヒロインを演じ、最高視聴率55・3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録する人気作となった。
87年に放送された山岡荘八の歴史小説が原作の「独眼竜政宗」は、渡辺謙さんが主演して大ヒット。ほかにも「赤い迷路」「八代将軍吉宗」など、純愛作品からコメディー、時代劇まで幅広いジャンルの作品を手がけ、映画「善人の条件」(89年)では監督も務めた。
舞台演出、小説やエッセーの執筆などでも活躍。97年、ドラマ「存在の深き眠り」と「憲法はまだか」で放送文化基金賞脚本賞を受賞した。
「マスコミ九条の会」の呼びかけ人を務め、日本国憲法や戦争と平和についての講演活動も積極的に行っていた。