日韓両国が国交正常化してから今年で60年となるのを記念し、東京都内で19日、在日韓国大使館主催の式典が開かれた。石破茂首相は祝辞で、両政府が緊密な意思疎通を続け「交流のバトンを次の世代へつなげたい」と述べた。
石破首相は祝辞で、今月就任した李在明韓国新大統領と先進7カ国首脳会議(G7サミット)で初会談したことに触れ、「今後の日韓関係の安定的な発展に向けて互いの考えを擦り合わせながら、大変有意義な議論ができた」と振り返った。
また、「隣人をよく知りたいという人間がもつ自然な気持ち」から日韓の交流が続いてきたと述べ、少子化や地方活性化など両国に共通する課題に協力の裾野を広げる考えを示した。
ソウルでは16日に日本大使館が記念式典を開き、李氏が「激変する国際情勢の中で両国はともに対応を模索すべき重要なパートナーだ」とビデオメッセージを寄せていた。
朴喆熙駐日韓国大使は両国民の往来が昨年計1200万人を突破したとし、「韓日関係の発展のために努力した指導者や先人に感謝する気持ちを忘れてはならない」と述べた。
式典には、岸田文雄前首相や菅義偉元首相を始め、両国の政府関係者や国会議員ら約1千人が出席した。日韓両国は1965年6月22日に国交を正常化する日韓基本条約に調印し、同年12月に発効した。