立民「蓮舫氏擁立」は”第2の山尾ショック”なのか

7月20日投開票の参議院選挙に向けて、立憲民主党は6月24日、比例区候補として前職の蓮舫氏(57)の公認を決めた。
【画像】蓮舫氏がXにつづった“チョー前向き”な決意表明の中身とは?
同氏は昨夏の東京都知事選で敗北した後、国政復帰を繰り返し否定してきた。それだけに、今回の比例区出馬をめぐっては同党内でも賛否が分かれ、最終的に野田佳彦代表が押し切る形での決着となった。
「野党の顔」が歩んできた紆余曲折
民主党政権時代に閣僚として活躍、同党分裂後には旧民進党代表にもなった“華麗な経歴”を持つ蓮舫氏。参院での「野党の顔」として、舌鋒鋭い政権追及などで存在感が際立っていた。
ただ、参院議員を辞職し、離党して無所属で現職の小池百合子氏に挑んだ1年前の都知事選では、突如参戦した石丸伸二・前安芸高田市長に次ぐ3位という想定外の敗北を喫したことで、政界でも“政治生命の危機”がささやかれていた。
蓮舫氏の今回の出馬をめぐっては、旧民進党時代の同僚で、同氏と同様に「野党の女性スター」としてもてはやされた山尾志桜里・元衆院議員の国民民主党からの出馬が、同党内の強い反発を受けて土壇場で取り消しとなって明暗が分かれたことも、騒ぎの拡大につながった。
公認決定を受け、蓮舫氏は週内にも出馬会見に臨む構えだ。ただ、山尾氏の公認取り消しは、「出馬会見」で同氏の政界引退につながった不倫問題について「どうしても話せない」と説明を拒否したことへの国民的な批判が原因だった。「二重国籍問題」などで批判され、8年前の東京都議選敗北で民進党代表辞任に追い込まれた蓮舫氏が、「出馬会見で何を語るかが注目の的」(政治ジャーナリスト)となりそうだ。
立憲民主党は24日、参院選での蓮舫氏を含む9人の比例区での公認を決め、擁立作業を完了させた。公認は選挙区で29人、比例区で22人となったが、「改選議席の与党過半数割れ」を目標とすることで、同党自体の獲得議席をめぐる「勝敗ライン」は明示しない方針だ。
野田代表ら党執行部は同日の常任幹事会で、22日に投開票された東京都議選での議席増に蓮舫氏が貢献したことなどを理由に、擁立を決定した。党内にくすぶっていた「連合の組織内候補が当選圏から外れかねない」との異論を、野田代表らが押し切ったとみられる。
これまで同党内では、蓮舫氏擁立をめぐり「都知事になれないから、参院に戻るという発想は有権者の理解を得られない」(参院中堅議員)との批判や不満がくすぶっていた。24日の常任幹事会でも「党全体を考えればデメリットが大きい」との意見が出たが、最後は全会一致で承認された。

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