「雑用係」から「幹部」へ…“ルフィ”グループの男、裁判で実態語る

いわゆる“ルフィ”グループによる一連の強盗事件をめぐる裁判で、幹部の男が「仮想通貨の投資に失敗しフィリピンに行く決断をした」と話しました。

全国で相次いで起きたいわゆる“ルフィ”グループと呼ばれる特殊詐欺グループによる強盗事件。闇バイトで実行役などを募り、2023年には、東京都狛江市で90歳の女性が死亡する事件も起きています。
その幹部の1人、小島智信被告(47)は、実行役を紹介した罪や特殊詐欺に関わった罪に問われています。3日、幹部として初めて被告人質問に立ち、詐欺グループの実態を詳細に語りました。
小島被告
「仮想通貨の投資に失敗し借金が残った。かけ子で金を作れと迫られフィリピンに行く決断をした。逃げることはできないと思いました」
当時の借金は300万円。最初に与えられた役割はかけ子だったといいます。法廷では、その手口を実演する場面もありました。
小島被告
「『○○警察署の今井と申します。○○さんのお宅でしょうか。詐欺被害にあって、実行犯が銀行から出金しました。被害にあっていないか確認する必要があるので、お手元にキャッシュカードを準備していただけますか』と言って」
しかし、緊張もありうまく話せず、相手をだましきれていないと感じていたということです。成果をあげられず、半年もたたずにグループのボスと呼ぶ渡辺優樹被告の雑用係に…。
小島被告
「渡辺のところに通って、次のプランに関して直接指示をされました」
1か月ほど雑用係を務めると、次に指示をされた仕事が「リクルーター」。実行役などを募集するためSNSに「高収入あります」などと書き込み、小島被告の給料も多い時には11倍にあがったといいます。(雑用係10万円 リクルーター110万円)
徐々にグループのトップに近づいていった小島被告。そんな自分自身については…
小島被告
「自分で言うのもあれだが、ものすごく僕はマメ。最高に使いやすい駒だったので、渡辺は手放さない」
「組織のボスは渡辺です」
小島被告は、借金返済のために特殊詐欺をはじめ、現金回収チームのトップになりました。3日、被告人質問で…
弁護士
「やめようとは思わなかった?」
小島被告
「借金を払ってもらって、やめる選択肢は消えました。渡辺のために働くことで恩返ししようと」
グループのトップ、渡辺被告に恩を感じていたと話しました。
小島被告は1日に行われた初公判で、全ての起訴内容を認めています。4日も被告人質問が続く予定です。
(7月3日放送『news zero』より)

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