全国的にクマの目撃情報や人的被害が相次ぐ中、岐阜県高山市の山林付近で12日、70代男性がツキノワグマに襲われ、重傷を負った。今年度、県内でのクマの目撃情報は計508件となり、県は発令中の「ツキノワグマ出没注意情報」について改めて周知した。
高山市によると、12日午後4時半ごろ、同市上宝町吉野の山林付近で、町内に住む男性が1人でいたところクマに襲われた。頭から出血し左腕を骨折しているが、命に別条はないという。
現場に住宅はない。クマの親子2頭がおり、猟友会がパトロールを実施。市は14日に対策本部会議を開く。
県によると、2025年度の人的被害は中津川市(9月)▽飛市(同)▽白川村(10月)――を含め今回で4件目。24年度は目撃情報674件、人的被害3件だった。県は9月に出した出没注意情報で、クマの餌になる果物や農作物などを放置せず、地域のゴミ出しのルールを徹底するなどの対策を呼び掛けている。【丘絢太】