田久保市長の不信任に「賛成」が8割超、伊東市議選に30人立候補…市長は「反対」の新人の応援演説に

学歴を偽ったと指摘されている伊東市の田久保真紀市長による市政継続の是非などを争点とする市議選が12日、告示された。立候補を届け出た30人(前議員18人と新人12人)はこの日、街頭などでそれぞれの政策を訴えた。
地元報道機関と伊東記者会が各候補者に実施したアンケートでは、30人の立候補者のうち、告示前に「未定」から「賛成」に転じた新人1人を加えた26人が、当選した場合に田久保市長への不信任決議案に賛成すると回答。そのほか「反対する」1、「未定」1、「未回答」2だった。市議選後の新議会で、再び不信任決議案が可決されると田久保市長は失職する。
唯一、不信任案に反対する意思を示した新人はJR伊東駅前での第一声で、「田久保市長が当選して、新しい伊東を作るんだと決意した市民の熱い政治への思いを止めるわけにはいきません」と呼びかけた。
応援に駆けつけた田久保市長は、「皆さんと約束した改革の火を消さずに前進させるには、市議会にも新しい風が必要だ」と呼びかけた。「みんな賛成だからと、自分の評決を決める人ばかりだったら、街は変わらない」と述べた。
議会で田久保市長を追及し、全会一致で不信任を決議した前議員の1人は、午前10時から地元で出陣式を行った。「不信任に対して市長は議会の解散を選び、選挙になった」と非難し、「停滞している市政を前に進めるため、みんなで勝ち上がって、再度、現市長の不信任をやっていかなければならない」と訴えた。
不信任決議案に賛成すると回答した新人候補者は取材に対し、「説明責任を果たさないのはリーダーではない。私は断固として(田久保氏の)反対派。次期市長選に田久保さんが出たとしても断固阻止したい。市政を元の正常な姿に戻したい」と話した。
候補者たちの演説を聞いた市民からは様々な感想が聞かれた。会社経営の50歳代男性は「政治的に意見を戦わせることはいいことだが、今回の混乱はそれ以前の問題。全てリセットし、市政を再スタートさせた方がいい」と述べた。
事務職の女性(59)は「伊東の良さを観光に生かし、高齢者に手厚い政策をする人に議員になってほしい」と話した。
市議会は9月1日、不信任決議案を全会一致で可決。これを受け、田久保市長は同10日に議会を解散した。
伊東市議選に立候補した30人の党派別は、維新1、公明3、れいわ1、共産1、無所属24。投票は19日午前7時~午後8時、市内24か所で行われ、午後9時10分から伊東小学校体育館で開票される。11日現在の選挙人名簿登録者は5万7010人。

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