「使いやすい」「信用できない」”従来の保険証”期限切れで2日からマイナ保険証に移行 資格確認書、暫定措置・・医療機関は混乱を懸念 マイナ保険証に反対の声も

いよいよ12月。

2025年も残り1か月となった1日、大きな節目を迎えたものがあります。
それが健康保険証。「紙の保険証」とも言われる従来の健康保険証はすべて有効期限が切れます。
2日からは、マイナ保険証に移行。

どうなるのでしょうか?
”マイナ保険証”抗議活動も
「保険証返せ!」「保険証返せ!」
福岡市のJR博多駅前広場では、1日、医療従事者約20人が「保険証をかえして」と書かれた「のぼり」や「プラカード」を手に声を上げ、健康保険証の廃止に反対する署名を集めました。
この活動を行ったのは、「保険証をかえして」ネットワークふくおかで、福岡県保険医協会や歯科保険医協会など30団体が加盟しています。
「保険証をかえして」ネットワークふくおか 七里正昭 事務局長

「(マイナ保険証は)暗証番号を覚えたり、自分で更新したりまさに自己責任のものになりますので、在宅で療養されている方、障害をお持ちの方、認知症の方、ご高齢の方などが使えずに無保険扱いになる恐れがある、これが最大のデメリットであると考えています」
便利・不安・・・マイナ保険証に賛否の声
保険適用で診察などを受ける際に必要な従来の健康保険証ですが、すべてのものが1日で有効期限が切れ、2日からは「マイナ保険証」に移行します。
「マイナ保険証」の登録は、専用サイトの「マイナポータル」か、医療機関などに設置されているカードリーダーなどで行うことができますが、どれぐらいの人がマイナ保険証を利用しているのか街で聞いてみました。
マイナ保険証利用(60代)

「便利です。お薬手帳とか見せなくてもいいし、スムーズに(使える)。新型コロナの頃からだったのですごくスムーズです」
マイナ保険証利用(50代)

「(マイナ保険証)使いやすいですね。全部記録も入るので、1枚ですごく助かる」
マイナ保険証利用なし(70代)

「自分たちの情報をどういう風に扱われるかがわからないので、ちょっと信用ができないところはあるかな。紙で困ってないですし」
マイナ保険証利用なし(70代)

「反対です。なんでもかんでも縛られるみたいで嫌なんで。カード紛失したらどうなるかわからない」
利用率は4割以下
厚生労働省の調査によりますと、マイナンバーカードの保有率は79.9%。

そのうち、マイナ保険証として登録している人はカード保有者の87.8%となっています。

マイナ保険証が普及しつつありますが、一方、マイナ保険証の利用率はというと37.14%で未だに4割にも達していないのが現状です。
うらかわ歯科医院 浦川修 院長

「だんだんと時期が迫ってくるにつれて少しずつマイナ保険証の利用率は上がっているんですが、一番直近で8月のデータなんですけども、当院では29%です」
福岡市南区にある、歯科医院です。

こちらでもマイナ保険証の利用は現在、3割程度にとどまっているといいます。
患者

「(マイナ保険証)一応あるのはあるんですけど、期限切れて更新してないんで、資格確認書がちょうどもう会社から届いたんで、もうそれがあれば困らないから、もういっかなと。今のところ行く暇がないしって感じ」
マイナ保険証を持っていない人は従来型に暫定措置も
マイナ保険証を持っていない人は、自治体などから届く「資格確認書」が保険証の代わりとなります。

こちらは有効期限が最長5年以内と定められていて、加入している保険者によって異なります。
さらに、厚生労働省は、保険証の期限切れに気付かず、医療機関を受診する人がいることなどを想定し、従来の保険証を2026年3月末まで使える暫定措置を行うとしています。
医療機関は混乱のおそれ
選択肢が複雑化することで、事務手続きにも混乱が生じるおそれがあると、浦川院長は話します。
うらかわ歯科医院 浦川修 院長

「すでに今、マイナカードもスマホ搭載型であるとか10通りを超える資格確認方法が厚労省の通知にあるんですけども、しかも資格確認書、資格情報のお知らせというフォーマットも保険者によってまちまちで、全てを我々把握できていないので一つ一つ、対応に苦慮しているところは多い」
中には、こんな患者さんも。
患者「今日は使ってないです。障害医療だからマイナ保険証だけ持ってきても意味がないんで。だから、保険証は持ってるんですけど」

Q マイナ保険証だけではひもづけができていないということ?

患者「ひもづけができていないと意味がない」
現状では、障害者医療など公費負担医療の受給者証情報を、マイナ保険証と連携させるシステムは普及していないため、マイナ保険証だけでは受け付けできないケースがあります。
うらかわ歯科医院 浦川修 院長

「例えば、子供。福岡であれば子ども医療証とか障がい者医療証、ひとり親(家庭等)医療証といった公費医療に関しては、マイナ保険証とのひもづけがまだ十分進んでいない現状があるというところで、公費医療だと別の医療証と併用が必要だというところで、マイナ保険証一本では対応が難しいというのが、まだまだ(普及が)進んでいない理由かもしれません」
資格確認書や、従来の保険証の利用延長など、未だに暫定的な対応が多い、マイナ保険証への移行。
反対の声も根強い中、自身の状況を今一度、確認する必要がありそうです。
「マイナ保険証」移行後の対応
2日からの対応をまとめました。
まず、

●マイナ保険証を持っている人は、マイナ保険証で受け付けを行ってください。
●マイナ保険証を持っていない人は、2パターン。

① 医療保険者から送付された資格確認書を提示する。

もしくは

② 2026年3月末までは有効期限が切れた従来の健康保険証を利用できます。
なお、マイナ保険証を持っている人に「資格情報のお知らせ」というものが送付されますが、これは、資格確認書とは別のもので、保険証としての機能はありませんのでご注意ください。

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