宮内庁は来年1月14日に皇居・宮殿で行われる「歌会始の儀」の入選者10人を発表した。お題は「明」で、海外14か国・地域からの70首や点字作品10首を含む計1万4600首から選ばれた。
最年長入選の石川県穴水町の農林業室木正武さん(80)は、15年ほど前に友人から歌会に誘われて短歌を始めた。「長くやってきたことが認められ、うれしい」と語る。歌には能登半島地震で被災した自らの思いを込めたといい、「被災地の明るい未来につながれば」と話した。
最年少の入選者は、新潟市中央区の東京学館新潟高校2年、本間優大さん(17)。高校入試を機に短歌に興味を持ち、高校2年から本格的に始めた。作品は中学時代の恋心が題材で、家族や指導教員と話し合いながら、3か月かけて推敲を重ねた。入選は「人生で最上級の喜び」だと言い、「短歌は気持ちを全開に出せるのが魅力。これからも続けたい」と語った。
天皇陛下に招かれて歌を詠む召人には、アイルランドと英国の国籍を持つ翻訳家ピーター・マクミランさん(66)(京都市右京区)が選ばれた。宮内庁によると、外国籍の召人は初めてで、マクミランさんは「歌会始は日本人の精神性そのものを表している。参加できることは大変光栄」とコメントした。
ほかの入選者は次の通り。(敬称略)
▽京都府南丹市、元教員中川文和(78)▽東京都杉並区、主婦八木訓子(73)▽茨城県ひたちなか市、高校講師菅野公子(63)▽青森県弘前市、会社役員坂本美弦(57)▽埼玉県鴻巣市、高校教員穐山順子(55)▽新潟市秋葉区、会社員鈴木好行(52)▽金沢市、地方公務員和田実希(37)▽横浜市金沢区、青山学院大1年新堀笙子(18)