首脳会談実現すれば「北朝鮮行きたい」2月に90歳の横田早紀江さん 拉致低調の選挙懸念

昭和52年11月に新潟市から北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(61)=拉致当時(13)=の母、早紀江さん(89)が来月4日、90歳の誕生日を迎える。早紀江さんは27日、報道各社の取材に応じ、「こんなに長い時間、拉致問題を解決できず、子供たちの様子が分からず過ごす日本という国の姿が悲しい」と嘆き、同日公示の衆院選に立候補した政治家らに奮起を求めた。
昨年2月に有本恵子さん(66)=同(23)=の父、明弘さんが96歳で死去。親世代の家族会メンバーは早紀江さん1人となった。「長い年月、たくさんの方と頑張ってこられたのはありがたいが、肝心のことが見えず、いろいろなことに思いを巡らせるばかりの人生になってしまった」と振り返る。
めぐみさんが拉致されてからすでに48年。「61歳でどうなっているか想像もできない。同時代の方をみるとこんなに元気だったらいいなと思うが、北朝鮮でどう暮らしているか考えると落ち込むだけなので、祈る毎日だ」と心境を語る。
取材に応じた27日、衆院選が公示された。選挙戦について聞かれると、「拉致問題は大変なことだと口になさらず、聞こえてこない」と懸念を示し、政府に「北朝鮮で被害者がみな元気でいるのか分からない。どんな形でも取り返すということに命がけで頑張ってほしい」と求めた。
早紀江さんら被害者家族は早期の日朝首脳会談を通じた被害者帰国実現を望むが、膠着(こうちゃく)状態が続く。「北朝鮮が(拉致問題を)動かそうとしないのは、日本が言わなくなるのを待っているからだ。そんな国になっていいのかと力の限り言いたい」と今の日本に憤る。
数年前に狭心症の手術を受けたが、その後は食事などにも留意し、転ぶこともなくなったという。「体力的にも今までみたいに3つできたことが2つしかできなくはなっている」というが、まな娘の帰りを待ち続ける。「もしも首脳会談ができるならば、私は北朝鮮に行きたいと思っている。金正恩(キムジョンウン)(朝鮮労働党総書記)さんが出てきたら、他の家族と一緒に目を見て、本当の思いを伝えたい。どうなってもいい」と思いを語った。

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