F-15Jに優れた電子戦能力が付与されます。
F-35戦闘機を補完する存在となるために
アメリカ国防総省は2023年9月7日、大手航空機メーカーのボーイングに対して航空自衛隊のF-15戦闘機向けとなるEPAWSS(Eagle Passive Active Warning Survivability System)の販売を、対外有償軍事援助(FMS)に基づき認可したと発表しました。
EPAWSSは、その名称からもわかる通りF-15「イーグル」シリーズ用の電子戦システムで、安全保障関連大手のBAEシステムズが開発・製造しています。 同じものはアメリカ空軍のF-15「イーグル」戦闘機用として採用されており、BAEによると敵が発する電磁信号の収集を通じて、搭載されたハードウェアが瞬時に周囲360度の戦闘空間に関する電子戦領域を構築。敵の電子戦攻撃から味方を守るだけでなく、必要に応じてジャミングなどの電子戦攻撃を行うこともできるそうです。
ボーイングでは、レーダーによる被検出性、すなわちステルス性の面でF-15「イーグル」を始めとした第4世代戦闘機は、F-35「ライトニングII」やF-22「ラプター」といった第5世代戦闘機と比べて最も劣る点だとしています。
EPAWSSを搭載すれば、その部分の脆弱性をカバーできるそうで、最新戦闘機であるF-35を補完する存在へとF-15をアップデートできるとしています。
航空自衛隊のF-15Jを対象とした能力向上改修作業は、すでに2020年7月に主契約社である三菱重工業がボーイングとの間で、前述の能力向上改修作業を支援する契約を締結しています。今回のアメリカ国防総省の認可はそれを後押しするものといえるでしょう。
なお、このようなアップグレード改装が施された機体は、通称「F-15JSI(Japanese Super Interceptorの略)」と呼ばれる模様です。