長崎県佐世保市は5日、市民のマイナンバーカードを悪用してマイナポイントを不正に取得したなどとして、市戸籍住民窓口課の会計年度任用職員(24)を懲戒免職にした。
発表によると、職員は今年7月下旬、同課で専用端末を使って市民のマイナカードのパスワードを再設定するなどしてマイナカードと健康保険証をひもづけ、7500円相当のマイナポイントを得て、自らのキャッシュレスサービスに移して不正に取得した。
また、規則に反して通勤で市営駐車場を利用し、来庁者用の無料サービス券を不正に使った上、自家用車通勤だったのに通勤手当としてバスの定期券代17万円を不正に受給したという。
マイナカードを不正利用された市民が、市の窓口を訪れた際に発覚。職員は市に対し、ほかにも数件、マイナポイントを不正に取得したと話しているという。市から相談を受けた佐世保署が調べている。
市は管理監督責任を問い、市民生活部長ら2人を訓告、同課長ら2人を戒告の懲戒処分にするなどした。田所和行総務部長は記者会見で、「マイナンバー制度の信頼を揺るがしかねない事態を引き起こし、深くおわび申し上げたい。再発防止と信頼回復に向けて全力を挙げて取り組みたい」と陳謝した。