能登半島地震をめぐり、海外メディアは災害対応を相次ぎ速報するとともに、日本人の地震への備えに焦点を当てるなど、地震に見舞われる他国との対応の違いを強調している。
英BBC放送(電子版)は雪降る状況の中、北陸地方以外から応援に来た警察官らが人命救出を懸命に行っている写真を掲載。また、家屋が崩壊し、避難を余儀なくされている被災者に対し、自衛隊員が食料や水、毛布などを手渡ししている様子を詳述した。
また、積雪の多さで知られる米中西部ウィスコンシン州拠点の「ウィスコンシン州ジャーナル」(電子版)も、輪島塗の漆器とみられる器やギターなどの日常品が、半壊した民家から庭に持ち出されている写真を掲載し、被害の大きさを伝えた。
一方、「『準備の文化』を持つ日本」との見出しで今回の地震を報じた米ニュースサイト「ビジネス・インサイダー」は、「数々の自然災害に見舞われた歴史を持つ日本は緊急事態の準備を的確に行う国の1つ。この対応が人々の避難を助け、命を救うことにつながっている」と指摘した。
具体例の一つとして、関東大震災(1923年)があった9月1日に毎年、日本で地震訓練が行われていることを紹介。「生徒まで訓練に参加し、三角巾で腕を吊ったり、ホースを使って消火したりする」と伝え、「これは極めて重要なことだ。というのは、能登半島でみられるように、緊急サービスが地震後数日間にわたり、遮断される恐れがあるからだ」と強調した。
さらに、訓練は「実際に何をすべきかを教えてくれる。人々への信頼の重要性も教えてくれる」との外国人居住者のコメントも紹介し、訓練に伴う「社会交流」が生存に直結する、と力説している。(黒沢潤)