【段ボールトイレ開発】5万戸で断水続く被災地に「こらええな」「穴掘ってしていた」

能登半島地震の発生から18日目。石川県全域では1月18日午前から冷たい雨が降っていて、県内の5万戸以上で依然、断水が続いています。 断水が続く各避難所での一番の課題はトイレの環境。能登島東部のえの目地区でも電気・ガス・携帯の電波は通っているものの、断水はまだ続いています。 地域のシンボル的なお寺「浄尊寺」。地震で甚大な被害を受けましたが、支援者からの物資は集落の中心であるこの寺に届き、被災した住民が必要なものを取りに来るといいます。関西の塗料メーカーなどで作る支援団体は、民間の避難所に「簡易トイレ」を届ける活動をしていて、18日午前に寺の住職・勝尾考さんのもとへもトイレが届けられました。 (関西ペイント 岩崎浩行さん)「これで土台が完成したので、あとは便座の部分を取り付けます」 簡易トイレの素材は段ボール。30秒ほどあれば組み立て完了。便座の部分に塗る塗料は、原材料の「消石灰」に抗菌作用があり、アルコール除菌の必要がないといい、塗料メーカーとしてこの簡易トイレの開発を始めたんだそうです。簡易トイレの中に吸収シートと袋を取り付けて何回でも交換が可能です。 (岩崎さん)「避難所では50人くらいに1台しかあてがわれないので丈夫でないと」 (勝尾さん)「すごいですね」 18日は、住民用にトイレ10台と1000回分以上の交換シートが提供されました。また、テントがあればプライバシーも守られます。 (浄尊寺住職 勝尾考さん)「(Qトイレはどんな方々のもとに?)地区のグループラインに写真を流して、見た人が取りにくる。(Qトイレの状況は?)最初はみんな集会所に寄って。やっぱり積みあがっていく、流せないし。(簡易トイレは)使いやすいし、できますし」 さっそく、たまたま境内に来ていた高齢女性の自宅へトイレを届けることになりました。興味津々の様子です。自宅前で簡易トイレをさっと組み立て、使い方を説明します。トイレに座ってみた女性は…。 (スタッフ)「頑丈でしょ?」 (女性)「(頷いて)もったいないね。私は今、トイレしたい時は、お寺の横に畑があるので、穴を掘ってしていました」 ご近所にも簡易トイレを届けます。自宅で避難を続ける夫婦は…。 (住民)「こらええな、こらええわ」

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする