重要なのは「避難指示を待たずに逃げること」自治体からの津波避難指示なくとも全員避難 新潟県村上市

能登半島地震で新潟県内には31年ぶりに津波警報が出されましたが、『避難指示』を出すかどうかの判断は自治体によって分かれました。重要なのは「避難指示を待たずに逃げること」です。
元日の能登半島地震の際、集落の住民は避難所として指定されている「今川集落開発センター」やより高台にある神社へ自主的に避難しました。
【村上市今川集落自治会長 中村健児さん】「ここに26名避難しましたね。津波警報が3mだったから、海抜8.5mあるここに避難してきた」
センターには備蓄品が揃っていて、避難した住民はセンターの中で非常食を食べながら、津波の危険が去るのを待ちました。
今川集落では、2019年に起きた新潟・山形地震で津波注意報が出て以来、津波の避難訓練を繰り返してきました。

能登半島地震で村上市は避難指示を出しませんでしたが、こうした訓練もあり、住民は自主的に避難できたそうです。
【村上市今川集落自治会長 中村健児さん】「訓練していますので、スムーズにいったかなという感じは受けますね。皆さんも防災に関しては関心が強くなってます。テレビや携帯で地震があったって分かるし、そうすると隣近所で声掛けしながら避難したんじゃないかな」
元日の地震では、新潟県内で沿岸地域のある12の自治体のうち、6つの自治体では避難指示を出しませんでした。
【村上市総務課危機対策室 大滝豊室長】「避難指示を出す範囲を細かく決めなくてはいけないんですけど、その時間がなかった。どのくらいの津波がくるのか想像がつかなかった…」
そこで村上市では、防災無線を使った『避難の呼び掛け』に専念したそうです。
【村上市総務課危機対策室 大滝豊室長】「指示を待たずして避難というのが“最善”かなと思います」
新潟市では、津波警報が出てから1分後に避難指示を出していました。津波注意報や警報などが出た場合には、自動的に避難指示を出して市民に知らせるシステムを2014年度に導入していたため、今回の避難指示発令が可能だったということです。
自治体によって対応が分かれますが『自分の命は自分で守る』という、我々の姿勢と判断が重要です。

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