札幌市北区の「セイコーマート北31条店」で店員3人が刃物で襲われて死傷した事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された無職宮西浩隆容疑者(43)が取り調べに対し、「刃物を取りに一度帰宅した」との趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材で分かった。現場では複数の刃物が見つかっており、北海道警は宮西容疑者が1度目に来店した際に殺意を抱き、約1キロ離れた同区の自宅マンションに戻って準備してから事件を起こした可能性もあるとみている。
事件は25日午前6時50分頃に発生。店内には当時5人の店員がおり、宮西容疑者はこのうち男性店員(60)と女性店員(58)を負傷させた後、バックヤードで同区の大橋恵介さん(40)を刺すなどしたとみられている。3人は病院に搬送されたが、大橋さんは出血性ショックで死亡した。大橋さんと男性店員の上半身には複数の傷があったほか、大橋さんの腕や手には「防御創」も確認されたという。
宮西容疑者は店外で男性店員と一緒にいるところを警察官に取り押さえられ、逮捕後の取り調べには「自宅から複数の刃物を持参した」と供述。3人を刺すなどしたことを認める一方、「3人に恨みはなかった。申し訳なく思っている」とも述べているという。
道警は27日午前、宮西容疑者を立ち会わせて自宅を捜索。約2時間半をかけ、捜査員6人体制で複数の証拠品を押収した。