2月29日は現職首相が初めて衆院政治倫理審査会(政倫審)に出席するという異例の出来事があったが、ドジャース大谷翔平が結婚するとの一報に話題はかき消された。
自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題を受けて、安倍派や二階派の幹部らが政倫審で説明をすることになったが、公開の場で行うかどうかで自民党は右往左往。「前例にとらわれないという決意の一つだ」と岸田氏が自ら出席を決めたことで、幹部らは公開の場での弁明を受け入れていた。
この日は岸田氏と二階派の武田良太元総務相が出席。立憲民主党の野田佳彦元首相が岸田氏に首相在任中の政治資金パーティーを今後も開くのかどうかを詰問。岸田氏は開催しない確約をしていたが、裏金問題の真相となると納得のいく答弁があったかは疑問だ。
一方で二階派の事務総長だった武田氏は自身も二階俊博会長も虚偽記載について「まったく存じ上げなかった」と強調。特に二階氏の関与に話が及ぶと、「事務、経理に関わることなく(派閥の)象徴として若手の指導に励んでこられた」と釈明した。
もともと政倫審ですべての真相解明ができるという期待はされていなかったとはいえ、今国会のハイライトであることは間違いない。ところが、大谷結婚のニュースに話題をさらわれる事態となってしまった。「明日から大谷一色で、政倫審がかき消される」「政倫審の報道時間を圧縮しないようお願いします」「政倫審のニュース 大谷結婚で見なくなったんだけど」とSNSで心配されていた。
3月1日も政倫審は続くが、大谷の取材対応もあり、やはり話題は大谷に奪われることが予想される。自民党にとって「せっかく公開の場で説明したのに…」となるか「注目されなくてよかった」となるか。