全国の高裁で初めて「同性婚を認めないのは憲法違反」という判断が示された今回の裁判。
訴えを起こし、戦い続けてきた原告の同性カップルの思いに迫ります。
札幌市に住む中谷衣里さんとCさん。
原告の同性カップルです。
特別な思いで14日を迎えました。
(中谷衣里さん)「結婚ができないことで困ることもあるし、私たちって社会的に承認されていないんだなとか、いないことにされているんだなって感じることが日常のいろいろなところで起きるので、どんな判決が出るんだろうってすごくドキドキ緊張していますね」
2人は同棲を始めてことしで10年目。
結婚している「夫婦」と同じく多くの時を2人で過ごしてきましたが、法律上は「他人」です。
過去には婚姻届を提出するも「女性同士の婚姻届は不適法」として受理されませんでした。
同性婚ができないことで、2人が住むマンションも共同名義でローンを組むことができず、現金一括で購入せざるを得なかったといいます。
(Cさん)「今後もしどちらかに不幸があって亡くなったら、まず最初に相続権が来るのは、婚姻関係にないので親とかになる」
同性婚が認められないのは憲法に違反するとして、2人は他の同性カップルとともに2019年に提訴。
2021年の1審の判決で、札幌地裁は全国初の違憲判断を示しました。
しかし、国に同性婚の立法を促すためにはさらに司法判断が必要だとして、原告らは控訴。
迎えた14日の2審の判決で札幌高裁はー
「憲法24条1項および2項、14条1項に違反する」
1審に続き「同性婚が認められないのは憲法違反」という判断を、全国の高裁で初めて示しました。
(中谷衣里さん)「憲法24条、ずっと違憲だとは思ってもらえなくて、本当に待ち望んだ判決だったなって。法律を整えなさいというふうにはっきりと明言してもらえたことというのも、これも間違いなく、立法府に大きなプレッシャーを与える判決内容だったと思います」
誰もが愛する人と自由に結婚できる社会へ。
また一歩、大きな前進となりました。