輪島塗や復興支援の拠点に 輪島市にトレーラーハウスの施設 オープン前に「筆入れ式」

能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市で31日、4月1日にオープンする伝統工芸の輪島塗や地域復興を支援する交流施設の「筆入れ式」が行われ、職人が漆器に金粉などで模様に色付けする「沈金(ちんきん)」を披露した。
交流施設は、全壊した輪島塗の老舗「田谷(たや)漆器店」の敷地に設置されたトレーラーハウスで、「輪島 未来工房 mira-co.(ミラコ)」と名付けられた。大阪市で地域新聞を発行する吉村大作さん(43)が発起人となり、クラウドファンディング(CF)などで準備を進めてきた。
輪島塗の作成やデスクワークができるスペースに加え、キッチンやバス、トイレなどの設備があり、ボランティアの宿泊も含め無料でだれでも利用可能。職人の作業風景を見学できるほか、地元の特産品の無人販売など、さまざまな活用を想定している。
当初は輪島塗の仮設工房とする予定だったが、国が仮設工房を開設する見通しとなったため、交流施設に変更。吉村さんは「輪島の人たちに自由に使っていただき、復興を実現してほしい」と話した。
また、田谷漆器店代表の田谷昂大(たかひろ)さん(32)は「能登半島をぎゅっと詰め込んだ施設にしたい。復興のフェーズに合わせて使い方を変えていければ」と利用を呼びかけた。
オープン後は、田谷漆器店に寄せられた義援金などで運営。今後、利用や宿泊の予約サイトなども整備する。問い合わせは「輪島塗・未来工房プロジェクト」公式サイトで。

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