「消えろ」「カス」と暴言…女子トイレに閉じ込め 奈良教育大附属小で「いじめ」調査報告書を公表 被害児童は余儀なく転校に…被害児童の父親は報告書に「首をかしげざるを得ません」

奈良教育大学附属小学校に在籍していた当時小学4年の男子児童が他の児童から男子児童に「デブ」「うるさい」などの暴言や複数の児童から叩く、殴るなどの暴行を受けるいじめ行為があったとする調査報告書を公表しました。被害児童は転校を余儀なくさせられたということです。 奈良教育大学付属小学校に通っていた当時小学4年の男子児童の母親が去年、転校を希望する奈良市内の小学校の校長に「いじめ」にあっていることを申告、その後、学校側がいじめ防止対策推進法に基づく「調査委員会」を設置し、調査を行っていました。 「デブ」「うるさい」など暴言…「叩く」「殴る」など暴行行為も 児童や保護者などへのヒアリングを行った結果、小学3年~小学4年の1学期にかけて、複数の児童から男子児童へ「デブ」「カス」などの暴言、「叩く」、「踏みつける」などの暴行などのいじめ行為があったと認定したということです。 【認定したいじめ内容】 ▼「デブ」「うるさい」「死ね」「消えろ」「カス」など悪口を言った行為 ▼複数の児童から「叩く」「殴る」「踏みつける」などの行為 ▼折り紙、お守り、上靴などを隠したり、盗んだり、ゴミ箱に捨てたりした行為 ▼サッカーで仲間外れにした行為、仲間に入れた時も児童にだけ「ちゃんとやれ」など言った行為など ▼女子トイレに無理やり入れた行為、その後「キモイ」と言って教室から閉め出した行為 ▼被害児童が心身の苦痛を感じた行為 など 今回のいじめ事案をめぐり、担任や学年の教諭らがいじめの可能性がある事案が発生していることを認識し対応していたにもかかわらず、児童同士のトラブルと捉えられて組織に報告への報告が遅れ、いじめをやめさせる有効な指導が行われていなかったということです。 また、男子児童は去年5月に連続して欠席が始まった際、保護者から学校側に『いじめを理由に学校へ行きたくない』と伝えられていましたが、重大事態として対処されていませんでした。 奈良教育大学「児童や保護者を深く傷つけて心より深くお詫び」 調査報告書の提出を受けて小学校を運営する奈良教育大学は「児童や保護者を深く傷つけてしまったことに心より深くお詫び申し上げます。厳粛に受け止め、二度とこのようなことが発生することのないよう取り組んでまいります」とコメントしています。被害児童の父親「こちらの要望受け入れず…誰のための調査なのか」調査報告書の提出を受け、被害児童の父親は「息子が大事にしていたお守りをバラバラに解体し、トイレに捨てた行為」など報告書に記載のない事実があるとして、納得がいっていないとしたうえで、次のような所見を公表しました。 【被害児童の父親の所見より】 「私たちが求めていたものは、単に『重大ないじめがあった』という認定ではなく、どういういじめがあったのか、息子が何に苦しんだのかなどを明らかにすることでした。起こった事実をそのまま伝えてほしいということだけです。多方面への聞き取りにより多くのことを明らかにしてくださった調査委員会ではありますが、最後は、完成した調査報告書などを一方的に読み上げ、こちらの要望は一切受け付けずに幕引きを図るというのでは一体誰のための調査であったのかと、首をかしげざるを得ません」などとする所見を明らかにしました。

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