蒲島郁夫知事(77)は14日、熊本県庁で営まれた追悼式に出席し、崩落した阿蘇大橋(熊本県南阿蘇村)付近で亡くなった大学生大和 晃 さん(当時22歳)の遺族と対面した。8年前、晃さんの捜索終了を判断した蒲島知事は式後、「至らない知事で申し訳なかった」と遺族に頭を下げ、割り切れない思いを抱き続けていた母、忍さん(56)はむせび泣いた。
晃さんは2016年4月16日の「本震」で、土砂崩れに巻き込まれたとみられる。蒲島知事は二次災害の恐れから県警などの捜索を途中で打ち切ったが、両親は捜索を続け、晃さんの車を発見した。蒲島知事は今年3月、読売新聞のインタビューに対し、「捜索終了は一番苦しい判断だった」と述べていた。
夫の卓也さん(65)、晃さんの兄翔吾さん(31)と参列した忍さんは「当時の対応に納得できない思いを引きずっていた。知事の言葉で癒えたかというと難しい」と複雑な思いを語った。