堀井学衆院議員(52)=比例北海道、自民党離党=が有権者に秘書経由で香典を配っていた疑いがある公選法違反事件で、香典が堀井氏の事務所資金から出されたとみられることが19日、関係者への取材で分かった。自民党安倍派から政治資金収支報告書に記載せずに還流されたパーティー収入などの裏金が使われた可能性もあり、東京地検特捜部は資金の流れの解明を進めている。
関係者によると、令和4年3月、秘書らが代理で参列した葬儀の香典について、堀井氏名義で渡すことが事務所内で周知された。香典は堀井氏個人の資金ではなく、事務所が管理する資金から出す運用で、金額や相手は堀井氏が指示していたという。
一方、堀井氏が代表の政治資金管理団体や政党支部の令和4年分の政治資金収支報告書には、香典名目とみられる支出の記載はなかった。
元秘書は香典配布について、通信アプリ「LINE(ライン)」で《収支報告書の処理は対外的に問題ない形にする》などと他の秘書らに連絡しており、香典が収支報告書に記載のない裏金から捻出された疑いがある。
堀井氏は安倍派から還流された計2196万円を関連団体の収支報告書に記載していなかったことが判明。修正された収支報告書には計1000万円余りの使途不明金が計上されており、香典の原資になった可能性もある。