猛暑が連日続く中、注意が必要なのが子供たちの「川遊び」だ。県内では今年、7月末までの川での水難者が前年比8人増の12人と大幅に増え、うち8人は小中学生だった。死亡事故も起きており、神奈川県警は「川では絶対に子供だけで遊ばないで」と強く呼びかけている。(山崎永麗南)
「小学生の男の子が流されたかもしれない」
横浜市旭区の 帷子 川で7月5日午後、近くにいた人から119番が入った。旭署などによると、小学5年の男子児童(10)が友人3人と浅瀬で遊んでいたところ、急に川底が深くなり、溺れた。友人らはもがく男児を助けようとしたが、近づけない。男児は浮き沈みしながら姿が見えなくなったという。発見されたのは下流約30メートルの川底で、水深は約1・8メートルあった。男児は亡くなった。
相模原市中央区の相模川でも同月19日、友人2人と川遊びをしていた中学2年の男子生徒(14)が亡くなる事故が起きた。
一般社団法人「水難学会」(新潟県長岡市)の斎藤秀俊理事は「川は泳いでいるときではなく、歩いていて不意に足がつかなくなり、溺れるケースが多い」と危険性を指摘する。溺れた際は慌てず落ち着いて、あおむけに浮いて助けを待つことが重要だという。
斎藤理事は人工構造物のある川では、「流れが急に速くなったり、深さも極端に変化することがある」とも語る。住宅街を流れる帷子川では、防災のため護岸ブロックが設置されている箇所があり、壁面がほぼ垂直になっているため、溺れると岸に上がるのも難しいという。
これからの時期は、県西部の酒匂川や水無川など、普段は水量の少ない川でも上流での局地的な豪雨などで急に水かさが増し、事故の危険が高まる。昨年、県内では8月だけで17人が水難事故に遭っており、子供だけでは遊びに行かず、近くで大人が見守るなど細心の注意が必要だ。
県警はキャンプ場や駅の電光掲示板などを使い、「ライフジャケットの着用徹底を」と訴えている。