潜伏期間長く“歩く肺炎”とも…『マイコプラズマ肺炎』全国で患者数が6週連続増加 8年ぶり高水準に

全国で「マイコプラズマ肺炎」が猛威を振るっています。患者の多くを14歳以下の子供が占め、名古屋でも保護者に連れられた幼い子供たちがクリニックを訪れていました。 名古屋市西区の「みわた小児科」には8月21日の朝、似たような症状の子供たちが多く受診していました。 みわた小児科の三輪田俊介医師: 「前よりせきがひどくなった?マイコプラズマが今はやっているので、一応検査してみようかな」
このクリニックでも、マイコプラズマ肺炎が7月中旬から増え始めているといいます。別のクリニックでマイコプラズマ肺炎と診断された子供のレントゲン写真をみると、肺炎を引き起こしている箇所に白くもやがかかっています。
発熱や倦怠感、長引くせきなどが主な症状として現れるマイコプラズマ肺炎は14歳以下の子供に多くみられ、いま全国で患者が増加しています。 全国で報告された患者数は6週連続で増加し、8月11日までの1週間では1医療機関あたり1.14人と、8年ぶりに「1」を超えました。 東海3県でも増加傾向で、愛知で2.07人、三重で1.22人、岐阜では全国平均を大きく上回る3.20人となっています。
クリニックを訪れた小学4年の男の子(9)とその母親は、発熱はありませんが、親子揃ってせきなどの症状に悩まされていました。 男の子: 「(喉が)何かくすぐったいって感じで。ちくっとした痛み。妹からもらって」 21日の午前中だけで子供4人を含む5人に抗原検査を行い、11歳と2歳の子供が「陽性」となりました。 しかし、コロナ用に比べて検査キットの感度が低いため、この日は接触歴や患者の症状などを踏まえ、4人をマイコプラズマ肺炎と診断しました。 三輪田俊介医師: 「コロナの抗原検査の陽性率は90%以上といわれているんですけども、マイコプラズマの抗原検査の感度はそこまでよくなくて。陰性の場合でもマイコプラズマの可能性がある検査だと思っていただいた方がいいですね」 また、潜伏期間も2週間から3週間程度と長く、出歩いて人にうつすこともあることから、マイコプラズマ肺炎は『歩く肺炎』とも呼ばれています。
陽性と判定された2歳の女の子は、せきが1週間ほど続き、微熱もありました。 三輪田俊介医師(女の子の祖母に対して): 「せきがひどくなって肺炎になっちゃう子がいるので、お薬をしっかり飲んでほしいんですけれど。感染力はあるんですけれども、コロナとかそういうのほどうつりやすいわけではないので」 コロナ禍を経験し、感染症への意識は高くなりました。医師は不安があれば、医療機関に相談をしてほしいと話します。 三輪田俊介医師: 「マイコプラズマは少し特殊な病原体で、細菌とウイルスの中間に位置するような病原体なんですね。少し特別な抗生剤を飲んでもらう必要があります。クリニックで抗原検査をしてもらって、受診してもらえるといいと思います」

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