「もうひどいです…」市民も困惑 寒さに弱いアメリカシロヒトリが函館で大量発生 温暖化の影響か

いま函館で毛虫が大量発生しています。主に市街地に生息するため、市民生活にも影響が。なぜ、異常発生しているのでしょうか。
前田愛奈記者「いました。マンホールの上、白っぽく見えているの毛虫ですね、滑り台がすごいことになっています。一面毛虫だらけですね、これはちょっと滑ることができないです」。
函館市民の憩いの場、千代台公園。園内の道路は真っ白になっていて一見、綿毛のように見えますが、よく見るとひとつひとつが動いています。道路だけでなく、遊具やベンチの上などあらゆる所が毛虫だらけ。
函館市文化・スポーツ振興財団 高橋雄太主任)
「もうひどいです…。葉っぱを食い荒らしてしまう虫なので、丸裸になってる木もある。もしかしたら木自体が死んじゃう可能性はあるのかな」。
いま函館で大発生している毛虫。市民も困惑を隠せません。
函館市民)
「気持ち悪い…。うちの家の前の街路樹にもいる」。
「うちの庭にも毛虫がいるので、駆除できなくて結局切った」。
「ちょっとついてかゆいなとか上から落ちてきて背中に入ったりとか」。
前田愛奈記者)
「この街路樹の葉っぱは少し茶色くなっているんですが、よく見るとたくさんいますね」。
毛虫は公園の中だけではなく、観光名所・五稜郭タワーの近くにも…一体この毛虫、何者なのでしょうか。
佐賀大学農学部 徳田誠教授)
「ヒトリガっていうガの仲間なんですよね。アメリカシロヒトリという名前でアメリカから侵入してきた害虫」。
昆虫を研究している佐賀大学の徳田教授によりますと、大量発生しているのはアメリカシロヒトリという外来種のガ。1945年の終戦後にアメリカから本州に持ち込まれ、寒さに弱いことから道内には生息していませんでしたが、2000年に函館で初めて生息が確認されたそうです。
佐賀大学農学部 徳田誠教授)
「最近の地球温暖化の影響でおそらく北海道でもだんだん生息できるようになってきたのかなと思います」。
山や森ではなく市街地に生息するのが特徴のアメリカシロヒトリ。およそ700個の卵を年に2回産むため繁殖力が強く、外敵もほとんどいないため数を増やしているとみられています。
佐賀大学農学部 徳田誠教授)
「今後ますます温度が上がっていくようなことがあると生息可能な地域は北に広がっていく可能性は十分考えられます」。
毒性はなく人体への影響はないということですが、思わず顔をそむけたくなる大量の毛虫。このまま温暖化が進めば、道内全域で大発生してしまうかもしれません。

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