三連休初日の今日21日(土)は秋雨前線の活動が活発になっています。石川県能登地方では線状降水帯が形成され、1時間に120mm以上の猛烈な雨を観測しました。明日22日(日)にかけて北陸、東北を中心に大雨に厳重な警戒が必要です。
石川県能登で記録的な強雨
秋雨前線は日本海に伸びていて、太平洋高気圧の縁をまわる湿った空気と、台風14号周辺の湿った空気が流れ込むことで、活動が非常に活発になっています。発達した雨雲の一部が線状降水帯を形成して石川県能登地方にかかり、輪島市では9時22分までの1時間に観測史上1位となる121.0mmの猛烈な雨を観測。気象台は「顕著な大雨に関する情報」と「記録的短時間大雨情報」を相次いで発表しました。土砂災害発生の危険性が高まっているため、輪島市と珠洲市は避難指示を発令しています。石川県に加え、昨日からの雨量が多くなっている新潟県や山形県にも土砂災害警戒情報が発表中です。（10時00分時点）
台風14号は今夜までに温帯低気圧に変わり日本海を東進
秋雨前線は今夜にかけてほとんど同じ位置に停滞し、活発な雨雲は北陸から東北を次々に通過する見込みです。また、黄海付近を進んでいる台風14号は、今後温帯低気圧に変わって秋雨前線と一体になり、明日22日(日)に北陸や東北を通過する予想となっています。低気圧が通過するまで、雨の強まりやすい状況が続く見通しです。
東北、北陸は明日にかけて200mm前後の大雨に
これから23日(月)朝までの雨量は、東北日本海側や北陸の多い所で200mm前後に達する予想です。すでに200mm以上の雨の降っている所がありますので、総雨量では300～400mmの大雨になるとみられます。土砂災害や河川の増水、氾濫、低い土地の浸水など災害発生の危険性が高まる見通しです。すでに避難指示が発令されている自治体もあります。雨が落ち着くまでしっかりと安全を確保するようにしてください。西日本から東海でも局地的な激しい雨によって道路冠水や低い土地の浸水などが発生するおそれがあるため、油断はできません。前線の位置によって大雨となる地域が変化することも考えられますので、警戒が必要です。
低気圧が発達し全国的に強風
台風14号が低気圧に変わった後、発達しながら日本海を進むため、風の強い範囲が拡大していきます。低気圧と高気圧との間の気圧差が大きくなるため、西日本から関東の太平洋側では南西の風、東北北部や北海道では東寄りの風がそれぞれ強く吹く見通しです。雨がそれほど強まらない地域でも、強風によって交通機関に影響が出ることが想定されますので、移動の予定がある方は、気象情報に加え運行情報の確認も必要です。