石破茂内閣の内閣官房参与(外交・安全保障担当)に就任した川上高司氏が「幸福の科学大学」の教授職を務めていたことが「 週刊文春 」の取材で分かった。幸福の科学グループが取材に対し、認めた。
石破氏が創設を掲げる「アジア版NATO」などを以前から主張
川上高司氏は石破首相の外交ブレーンとして知られ、石破氏が掲げる「アジア版NATO」の創設などを以前から主張していた学者だ。
「熊本県出身で、京都産業大学法学部を卒業後、京都産業大学大学院を修了。大阪大学で博士号(国際公共政策)を取得しました。海部俊樹元首相の政策秘書を経て、拓殖大学の海外事情研究所所長などを歴任してきた。アメリカ外交や安全保障が専門です」(安全保障関係者)
旧統一教会の関係団体で講演、幸福の科学出版の雑誌にも登場
実は、その川上氏は、宗教団体の関連団体で講演や講義を重ねていた。2017年8月には、旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)と関係の深い「世界日報」が主催する「世日クラブ」で講演をしている。
さらに、幸福の科学出版の雑誌『The Liberty』(2022年3月号)では、〈HSU未来創造学部プロフェッサー〉として登場していた。HSUは「ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ」のことで、四年制大学「幸福の科学大学」が文科省から不認可となったため、学位の取れない私塾として開校している。その“大学“のプロフェッサー(教授)だというのだ。
川上氏に話を聞いた。
――「世日クラブ」で講演しているが、統一教会とは?
「まぁ、なんて言いますかね、国際政治学者っていうのはほとんど関係なく(講演依頼を)受けていますから。そういうのは公平にやるっていうことがモットーですから」
ーー幸福の科学の雑誌に「HSU未来創造学部プロフェッサー」との肩書きで登場している。
「非常に迷惑だったんですけれども、その……みなさん全員一緒で。関係者から頼まれて招かれたということはありますよ。この辺はノーコメントに」
「私は最右翼で通っていますからね。もうガンガン」
――幸福の科学の会員?
「それはもう絶対ないです。逆です。私は最右翼で通っていますからね。もうガンガン」
幸福の科学グループ広報局は以下のように回答した。
「2023年度までは、川上高司先生に、多くの外部講師のお一人として未来創造学部ビジティング・プロフェッサー(客員教授)という形で講義していただきました。外部講師からご紹介いただいたのが経緯になります」
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10月9日(水)正午配信の「 週刊文春 電子版 」および10月10日(木)発売の「週刊文春」では、川上氏の「フリーメイソン」に関する主張や首相秘書官によるAdo「うっせぇわ」熱唱動画など石破首相を取り巻く問題、さらに、三原じゅん子こども相の暴行事件や村上誠一郎総務相の政治資金疑惑など計9ページにわたって石破政権の特集を組んでいる。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年10月17日号)