新潟県聖籠町の空き家で遺体発見、行方不明の新潟市中央区の70代男性か 県警が死体遺棄事件として捜査

新潟県聖籠町次第浜の空き家敷地内の土の中から男性の遺体が見つかり、県警は12月17日、死体遺棄事件として新潟署に阿部吉晴刑事部長を本部長とする95人体制の捜査本部を設置したと発表した。新潟署管内で行方不明となっていた新潟市中央区の70代男性の遺体の可能性があるとみて捜査している。
捜査本部によると10月16日、「男性宅に新聞がたまっている」と消防からの110番通報があり、同21日、男性の親族が新潟署に行方不明届を出した。県警は男性が1人暮らしだったとしているが、氏名や具体的な住所、職業を明らかにしていない。
その後の捜査で聖籠町次第浜の空き家かその付近に、男性の遺体が遺棄された疑いが強まったとして、12月16日に県警が捜索。同日午後4時半前、敷地内の土の中に埋まっている遺体が見つかった。県警は発見状況などから何者かによって遺棄されたとみている。
17日の記者会見では阿部刑事部長が事件概要を説明し、質疑に応じた。
遺体は衣服を身に着けており、「死後、相当程度経過している」とした。外傷や欠損の有無、埋まっていた状態は「捜査に支障がある」として明らかにしなかった。司法解剖を行い、身元や死因の特定を急ぐ。
遺体が見つかった聖籠町の空き家の所有者については「個人の所有」とし、「行方不明の方が所有している状況はこれまで判明していない」と説明。行方不明男性と空き家の関連については「捜査中」とした。
新潟市中央区にある行方不明男性の家に荒らされた形跡や血痕などがあるかについては「差し控える」とした。「捜査本部が設置されたばかり。あらゆる可能性を視野に捜査していく」と述べた。
◆「何が起きたのか」「怖い」 静かな住宅地に動揺
「何が起こったのか」「どうしてこんなところで…」。聖籠町次第浜の空き家の敷地内から男性の遺体が見つかり、静かな住宅地には12月17日、動揺が広がった。現場はブルーシートに覆われ、遺体を掘り起こした際の高い土の山が並んだ。住民らは、せわしなく出入りする捜査員らを不安げに見守った。
県警は16日午前から捜索を始め、同日夕に土の中から遺体を発見。近所の50代女性は「何かと思っていたがニュースを見て驚いた」と話した。70代女性も「警察の車がたくさん止まっていた。怖いので戸締まりをしっかりしたい」と声を震わせた。
現場は周囲を田畑に囲まれた住宅地で、近くには保育施設もある。17日には物々しい雰囲気の中、規制線の脇を車で送迎する保護者の姿も見られた。
複数の住民らによると、現場の住宅は4、5年前から空き家だったとみられる。敷地内には小屋があり、草木が生い茂っていたが、11月ごろに業者が小屋を解体。草木も刈り取られたという。所有者の親族とみられる人が時折、空き家を訪れる様子を見たという住民もいた。
ある男性は「付近の道路は入り組んでいるが、夏ごろから知らない車が複数通ったり、Uターンしたりしていた」と表情を曇らせた。

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