四谷大塚・元講師「十数人の女子児童を盗撮」か 性被害対策として期待の声…日本版「DBS」とは?

学習塾「四谷大塚」の元講師、森崇翔容疑者(24)が、教え子の9歳の女子児童に“わいせつな発言”を強要し、下着を盗撮したなどとして逮捕され、21日送検されました。森容疑者は「脅すつもりはなく、身体的危害を加えるつもりはなかった」と一部容疑を否認。ただ、逮捕前の任意聴取で「十数人の女子児童を盗撮して、SNSのグループチャットに動画を複数投稿した」と話していたことが、新たにわかりました。
こうした“密室”での性被害を防ぐため、教育現場から必要性が指摘される日本版「DBS」とは?
教え子の9歳の女子児童の下着を盗撮したなどとして、学習塾「四谷大塚」の元講師、森崇翔容疑者(24)が逮捕され、21日、送検されました。
同日夜、森容疑者を知る人に話を聞くと、次のように語りました。
森容疑者を知る人
「小学校のときはおとなしいイメージで、話しかけてもいじっても、にこにこ笑っているような」

1954年に創立された、「四谷大塚」は、首都圏に36の校舎を抱える、小学生を対象とした大手の学習塾です。
ここで塾講師として、教べんを執っていた森容疑者。
警視庁によると、勤務していた都内の校舎の教室で、教え子の9歳の小学生の女子児童に対し、“わいせつな発言を強要”し、女子児童の“下着を盗撮”した疑いがもたれています。
捜査関係者によると、森容疑者は、女子児童の授業がない日に「指導する」という名目で、保護者を通じて、校舎に呼び出すなどしたといいます。
そして……耳を疑うような発言で女子児童を脅し、床に体育座りをさせたうえで、次のような“わいせつな発言”を、9歳の女子児童に強要したといいます。・
森容疑者
「勉強しないと、お仕置きをする」
「お尻ペンペンします」
女子児童
「頑張らないと、お仕置きをされます」
「裸で、お尻ペンペンです」
さらにその様子を、自分の胸ポケットに入れたスマートフォンで“盗撮”したとみられることも明らかになりました。
19日、森容疑者の家族が私たちの取材に応じました。
――(逮捕された時の)本人の様子は?
森容疑者の家族
「申し訳なさそうな様子でした」
―― 何か話されましたか?
森容疑者の家族
「しゃべる暇ないですよ」
「事件のことは彼(森容疑者)から聞いていまして、 私としてもそれは家族として本当に重く受け止めております」
「刑事的なことは警察におまかせをして、私としてもまず(被害者に)誠意ある対応を心がけて、徹底的に心がけていこうと思うので」
事件が発覚したのは、今月4日のことです。
被害児童の母親
「住所、氏名、小学校名、動画が SNSのグループトークにさらされているのを知った」
被害児童の母親は警視庁に相談し、「厳重処罰をお願いします」と訴えたといいます。
四谷大塚も事態を把握し、今月10日付で、森容疑者を懲戒解雇していました。
その後、逮捕された森容疑者は、警視庁の調べに対し、容疑を一部否認しているということです。
森容疑者
「一番の目的は、自分が動画を見て楽しみ性的欲求を満たすためで、脅すつもりはなく、身体的危害を加えるつもりはなかった」
しかし21日、逮捕前の任意聴取で次のように話していたことが、新たにわかりました。
森容疑者
「十数人の女子児童を盗撮して、SNSのグループチャットに動画を複数投稿した」
事態を受け、四谷大塚は「猛省する」などとしています。
四谷大塚
「今回の事態を起こしてしまったことは、 誠に遺憾であり、このような人物を採用したことについても猛省し、使用者としての責任を痛切に感じております」
また、ホームページ上に下記のような「再発防止策」を発表しました。
【四谷大塚の再発防止策】
・講師らのスマートフォンなどの写真や動画が撮影可能な機器の、教室内への「持ち込みを厳禁」とする
・家庭から、教室内を「リアルタイムで確認」することができるシステムの開発
・講師も「心理分析テストや性格分析テスト」を活用して、適切な人物を採用するように努める
21日夜、zeroは横浜市の学習塾を訪れました。
神奈川・横浜市 学習塾「スイングアカデミー」塾長
「金って、すっごい価値があるじゃないですか。これ、みんな、どれくらいの値段だと思う?」
児童
「はーい、百万?」
この塾では講義を行ううえで対策として、ドアを開けて、密室で児童や生徒と講師が1対1にならないようにしているといいます。
スイングアカデミー 塾長
「扉は開けている感じにしています。基本的には、ずっと開けっ放しです」
また、児童らと講師が個別にメッセージのやりとりをしないために、全員がやりとりを見ることができるアプリを導入しているということです。
教育現場から今後の対策として聞かれたのは、日本版「DBS」という言葉です。
スイングアカデミー 塾長
「学習塾も『日本版DBS』……これが、絶対に必要だと思います。こういったものがないと抑止力が働かないので、早急に必要な時期に来ているのではないかなと思います」
「DBS」とは、子どもに関わる職業などに就く際に、性犯罪歴などがないか、証明を求めることができる制度で、保育士や小学校の教諭などへの導入を義務化することで、子どもを性犯罪から守ることが期待されています。
政府は導入に向け議論を重ねている段階で、学習塾が対象となるかは決まっていませんが、「DBS」の導入を訴えていたNPO法人からは、次のような声が聞かれました。
認定NPO法人フローレンス 駒崎弘樹 会長
「日本版DBSの対象に、塾や習い事もしっかり義務として入れていただきたい」
「せっかく(DBSを)作るなら全ての塾、習い事もちゃんと網をかけなければ、学校や保育園だけ性犯罪者をブロックしたとしても、そうした人たちが、『塾や習い事に、じゃあ就職すればいいや』とそっちに流れてしまう。それを、なんとしても阻止しないといけない」
学習塾という教育現場で起きた、今回の事件――。
警視庁は、森容疑者がSNSに複数の女子児童の動画や個人情報を投稿していたとみて、詳しく調べています。
(8月21日放送『news zero』より)

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