「今はただ会いたい」 愛娘失った両親が手記公表 熊本女性殺害

熊本市中央区の雑居ビルで5月、同区の派遣社員、辰島ありささん(当時29歳)の遺体が見つかった事件で、熊本県警が事件後に死亡した同区の会社員、松原聡容疑者(当時31歳)を殺人と死体遺棄容疑で容疑者死亡のまま書類送検したことを受け、辰島さんの両親は31日、代理人弁護士を通じて「今はただ、ただ娘(ありさ)に会いたい」との手記を寄せた。
両親は直筆のコメントの中で「あの日から、夢か現実なのかわからないまま日々を過ごしている」との心情を吐露したうえで、「容疑者の書類送検を受けて一区切りできた。無念の思いは残る」と愛する娘を失った深い悲しみをつづった。
県警によると、辰島さんは当時、アルバイト先から徒歩で帰宅中で、ビルの前を通り過ぎた後、松原容疑者に呼び止められ、2人でビルに入っていく姿が防犯カメラに映っていた。両親は「優しいがゆえにとった娘の行動ならば親として誇りに思う」とも記した。【野呂賢治】
手記の全文は次の通り(原文のまま)。
この度は、娘(ありさ)の為に、熊本県警ならびにご協力頂きました全ての方々に心より感謝申し上げます。
あの日から、夢か現実なのかわからないまま日々を過ごしております。
私達家族が思う事、それは毎日痛たまれない事件が連日報道される事です。
今はただ、ただ「娘(ありさ)に会いたい」それだけです。
被害者家族の一生の苦しみ、それと同様に加害者家族の苦しみ。犯罪者になる前に、今一度、大切な誰かを苦しめない行動をして下さい。
容疑者の書類送検を受けて一区切りできました。無念の思いは残りますが、何故?どうしてついていってしまったんだろう、ではなく、優しいがゆえにとった娘の行動ならば、親として誇りに思います。
父母

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