北新地ビル放火、容疑者遺骨を牧師引き取り 大阪の教会で納骨

26人が犠牲になった令和3年12月の大阪・北新地のクリニック放火事件で、殺人などの疑いで書類送検され、死亡で不起訴となった谷本盛雄容疑者=当時(61)=の遺骨について、前科のある人らの更生活動に取り組むメダデ教会(大阪市西成区)の西田好子牧師(73)が1日、市立北斎場から引き取った。
市によると、8月末までに親族ら引き取り手が現れなければ、無縁仏として別の霊園で埋葬される予定だった。引き取り手は原則親族に限るが、一定期間申し出がなければ、親族以外にも遺骨を引き渡せる規定という。
西田氏はこの日午前9時半ごろ、北斎場で遺骨を引き取り、メダデ教会で洗礼式を営んだ上で納骨した。
谷本容疑者はクリニックに通いながらも生活に困窮して孤立を深めた末、多くの人を巻き添えにする「拡大自殺」を選んだとされる。西田氏は「やったことは絶対に間違っている。自分が犯した罪を悔いないといけない」とした上で「谷本(容疑者)は孤独を抱えており、二度と同じような事件を起こす人をつくってはならない」と強調した。
谷本容疑者は3年12月17日、通院先のクリニックに火を付けて自らも搬送され、同30日、大阪市内の病院で死亡。司法解剖の結果、死因は重度の一酸化炭素(CO)中毒による蘇生(そせい)後脳症だった。

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