東京都の小池百合子知事は1日の定例会見で、野村哲郎農相が東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に関し「処理水」を「汚染水」と発言した問題について「まさに不適切な発言。少し気の緩みがあるのではないか」と指摘した。
小池氏は「みんなで(福島産の)お魚を食べようと言っているわけですが、(野村氏は)農水の分野をいちばんつかさどる方。まさに不適切な発言だ」と述べた。
一方、岸田文雄首相が9月にも内閣改造に踏み切るとみられることを念頭に「(最近は)組閣や人事の話が良く出ているので、少しその辺のところで気の緩みがあるのではないか」とも述べた上で、大臣経験者ならではの内閣改造の「プチ知識」を披露。「毎回そういう(改造)流れになると、大臣は自分の私物を片付け、いったん空にしてから次の人が来る。再任となればまた(片付けたものを)取り出して並べ直す」などと述べた。
その上で「でも(現在)大臣である以上は緊張感をもって臨んでいただきたい。皆さんにこれだけ声をかけているのだから、大臣であるならむしろ、しっかり国民に分かるようにお伝えされたらどうでしょうかね。それに尽きます」と、最後まで手厳しかった。
小池氏は、処理水の海洋放出が始まった後の先月25日の昼食時に、福島県沖で水揚げされた「常磐もの」と呼ばれる魚のスズキなどを職員食堂で食べる様子を報道陣に公開したが、この日は取材機会がとりやめられたという。取りやめになった理由を記者に問われると、小池氏は「取りやめにしたのは、カメラの前で食べるかどうか(ということ)。今日は豊洲から届いた(魚の)お昼をいただいた」と主張した。また「和食、特に魚料理をいろんな意味でサポートすることも含めて、ご家庭も含めて食事でサポートしていただければ」と述べ、あらためて「食べて支援」への協力を呼びかけた。