13日に行われる内閣改造・自民党役員人事をめぐり、岸田首相は小渕優子氏を選挙対策委員長に起用する意向を固めました。前野全範記者が中継。
岸田首相は小渕氏の起用で「刷新感」を出したい考えですが、自民党内からは「政治とカネの問題を抱えていて支持率は上がらないだろう」とさめた見方も出ています。
岸田首相は内閣改造・自民党役員人事で、麻生副総裁と茂木幹事長の2人は留任させた上で、小渕優子・組織運動本部長を選挙対策委員長に、森山裕・選挙対策委員長を総務会長に起用する意向を固めました。また、松野官房長官と萩生田政調会長については留任させる意向です。
──小渕さんというと政治とカネの問題で閣僚を辞めた印象が強いようですが、なぜ今回、抜擢されたんでしょうか?
岸田首相としては、小渕氏の起用で茂木幹事長が力を持ち過ぎることをおさえたい狙いがあります。
岸田首相は当初、茂木幹事長の交代を検討しましたが、麻生副総裁の反対もあり踏み切れませんでした。来年秋に自民党総裁選を控える中、岸田首相はポスト岸田への意欲を隠さない茂木氏が力を持ち過ぎることを警戒しています。
そこで、茂木派に所属していて派内からは将来の総裁候補との声も上がっている小渕氏を起用することで、茂木氏を牽制することを狙ったんです。小渕氏の起用は、実は1年前も検討されましたが、茂木幹事長の強い反対もあり実現できなかった経緯があり、今回は岸田首相が押し切った形です。
ただ、小渕氏に関しては、自らの政治とカネの問題で経済産業相を辞めた際の対応をめぐり「説明をきちんと行わなかった」との批判が根強くあります。
また、政権の骨格は維持したため、自民党幹部からは早くも「あまり変えないんだったら人事をやらなくてもよかったんじゃないか」といった声も出ています。
岸田首相は、残る閣僚人事で女性や若手を抜擢して「刷新感」をアピールしたい考えですが、いわゆる「入閣待機組」も起用しバランスを取る必要があり、限られた大臣ポストをめぐり難しい調整が続けられています。