世界遺産・ 厳島 神社のある広島県廿日市市の宮島で1日、観光客らから1人100円の「宮島訪問税」の徴収が始まった。宮島では観光客が増えて地域住民に影響を及ぼすオーバーツーリズム(観光公害)の問題が指摘されており、市は、訪問税を観光客を受け入れるための設備の整備などに使う。
訪問税はフェリーでの1往復に100円が上乗せされる形で課税される。小学生以上の観光客が対象で、島民や修学旅行生は対象外。
宮島対岸の宮島口旅客ターミナルでは廿日市市の職員ら約20人がパンフレットを観光客らに手渡し、訪問税の周知を図った。
広島市安芸区の会社員(43)は「トイレなどの施設整備に使ってもらえるならば、観光客にもメリットがある。観光名所の宮島を守るためなら問題ないと思う」と理解を示した。香川県観音寺市から訪れた会社員(30)も「100円なら許容範囲。宮島のきれいな景観を保つために使ってほしい」と期待した。
松本太郎市長は1日、「宮島の自然・歴史・文化を次世代に継承するための財源として有効に活用する」と話した。