障害者の作業所やグループホームを運営する東京都小平市の社会福祉法人を巡り、不衛生な環境によるダニ発生を虐待のネグレクト(放棄)として職員が内部告発で市に通報したのに、担当課が受け付けを拒否していたことが15日、共同通信が入手した音声データで分かった。
この法人では、役員ら複数の職員による知的障害者への暴行や暴言が長期間、続いていたことも内部資料や関係者の証言で判明。複数の職員らが「市は過去にも通報を受けていたのに、きちんと指導しなかった」と訴えており、市の不十分な対応が被害を長期化させた可能性がある。
障害者虐待防止法は、虐待の発見者に市町村への通報を義務付けている。厚生労働省の担当者は「通常は受け付けて調査すべきもの」としているが、市は取材に対し「法に沿って対応している」と答えた。
この法人は「ときわ会」。職員らの話や音声データによると、昨年12月、職員2人が市の障がい者支援課を訪問。「グループホームで掃除がされず、ダニが発生した」と伝えたが、応対した課長補佐は通報を受理しなかった。