「金を持っている犯罪者をさらったほうが…」強盗傷害を指示「怒羅権」創設メンバー汪楠(51)の“犯行ノウハウ”《2年前にも恐喝未遂で逮捕》

〈 「警察!警察!警察呼んで!」と赤いシャツを振り回し…指示役の「怒羅権」創設メンバーが逮捕 “東池袋強盗致傷事件”阿鼻叫喚の現場マンション《犯人の1人は“反撃”に遭い、首を刺されて死亡》 〉から続く
10月10日、警視庁捜査一課に強盗傷害などの疑いで逮捕された準暴力団「怒羅権」メンバーの汪楠容疑者(51)。今年3月21日午前9時頃、東京都豊島区東池袋のマンションに5人の男が侵入し、中国人経営者の男性らに暴行を加えた上、現金計109万円とノートパソコン5台などを奪った。汪容疑者は実行犯5人を含む犯行グループ8人の“指示役”と見られている。
怒羅権の創設メンバーとして自叙伝『怒羅権と私 創設期メンバーの怒りと悲しみの半生』(彩図社)も刊行している汪。その後は“改心”して受刑者の更生支援に取り組んでいたというが、一体どのような人物なのか。
慈善活動に力を入れていたはずが…
中国人の両親のもとに1972年に中国で生まれた汪。14歳の時に来日して以降は不法行為に手を染めてきた。怒羅権で活動するとともに、暴力団にも出入りするようになった。
2000年、汪は詐欺罪などで逮捕される。懲役13年の実刑判決を受けると服役。2014年に出所すると、怒羅権を脱退し、犯罪とは無縁の道を歩み始めた。元受刑者を支援するNPO法人「ほんにかえるプロジェクト」を立ち上げるなど、慈善活動に力を入れていた。2019年には中国籍の女性と結婚。千葉県市川市で静かに暮らしていると思われていたが……。
妻のAさんが取材に語ったこと
警察が汪の自宅に突如現れたのは、今年10月10日のことだった。「週刊文春」の記者が汪の自宅を訪れると、妻Aさんが取材に応じ、逮捕当日の様子を振り返った。
「朝の8時半頃のことでした。ピンポンが2回鳴ってから、突然、自宅の2階の窓ガラスが割れて、警察官が押し入ってきました。私はソファーで寝ていました。警察から『1階に降りるな!』と言われました」
Aさんは夫の逮捕にショックを受けているという。
「私たちが結婚したのは6年ほど前のことです。(汪には)毎月15万~20万円くらいのお小遣いを渡していて、そのお金で出所した人にボランティアでご飯をご馳走していました。『お金がない』とは常に言っていましたが、お金に本当に関心がない人。でも家族だから私が面倒をみるしかないんです。家の購入費も生活費も私が払っていましたから。今回のことは信じられません……」
今回の逮捕は汪の周囲にも衝撃を与えた。知人が語る。
「お酒の飲み方も乱れることなくオシャレで綺麗。めっぽう強くて瓶ビールも7本くらい飲む。新宿ゴールデン街の有名なママと昔から親交があって、高齢のママが引退したら(ママを)引き取って一緒に暮らすと語るくらい優しい人です」
周囲に隠していた”裏の顔”
周囲には“善人”として振舞っていた汪。しかし、そのウラでは“悪の顔”を覗かせてもいた。
2014年に出所した汪だが、実は逮捕されたのは今回が初めてではない。約2年前にも恐喝未遂の容疑で逮捕されている。
「2021年11月12日、汪は千葉県市川市のカラオケバーで店主の45歳女性を『暴れてもいいんだよ』などと脅し、現金を脅し取ろうとした疑いで逮捕されました。“みかじめ料”を要求したと見られています。汪は地元の知人男性とともに逮捕されましたが、千葉地検は不起訴処分としています」(全国紙社会部記者)
「手間もかかりませんし、安全です」汪容疑者の犯行ノウハウ
怒羅権時代に数々の非行に手を染め、犯罪行為には“精通”している汪だが、実は前述の自叙伝では、ある“ノウハウ”を披露している。
〈銀行強盗のような犯罪をするよりも、金を持っている犯罪者をさらったほうが手間もかかりませんし、安全です〉
今回の逮捕容疑となった強盗傷害事件では、点検業者を装った男5人がマンションの一室に押し入った。中国人経営者の男性とその知人女性を結束バンドで拘束し、現金109万円とノートパソコン5台などが盗まれた。「犯行グループは事前にスタンガンなどを用意して、直前にはレンタカーで現場を下見していた」(前出・社会部記者)というが、ターゲットの選定方法は、まさに前述した汪の“ノウハウ”と一致する。
「その中国人経営者が『怪しげな投資セミナーを開催して、金を持っている』という情報が犯行グループに流れていた可能性があります。被害者を“狙い撃ち”したのではないでしょうか。汪はメッセージアプリを使用して、犯行グループに指示を出していました」(同前)
“改心した元怒羅権”としてメディアに露出しつつ、裏では悪に手を染めていた汪。妻のAさんに事件への心当たりがないかを尋ねると、憔悴しきった表情でこう語るのみだった。
「昔のことは知らないし、今回のことも知りません。今はとにかく気持ちが落ち着かず何も考えられません……」
汪が今も生きる裏社会には底知れぬ闇が広がっている。
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「週刊文春」では、今回の事件について情報を募集しています。文春リークスまで情報をお寄せください。
文春リークス: https://bunshun.jp/list/leaks
(「週刊文春」編集部/週刊文春Webオリジナル)

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